Microsoftに関しては次世代Xboxの開発中止が噂されるなど、事業に関して大幅な軌道修正を迫られている可能性が指摘されています。さらに、近いうちにリリースを予定していたXboxのハンドヘルド型デバイスに関しても、見込まれる販売台数を理由に開発を中止した可能性が出てきたようです。
MicrosoftがXboxハンドヘルド版も開発中止に? AMDの最低受注数が大きすぎることが原因?
Microsoftでは、最近のハードウェアの進化やSteam Deck、Nintendo Switch 2などのハンドヘルド型デバイスが一定の市場規模に拡大していることを背景に、独自のXboxハンドヘルド版の開発をしていると言われていました。ASUSなどが発売するROG Ally Xとは異なる、完全独自開発のデバイスです。
しかし、Xboxハンドヘルド版で必須となるAMD製のカスタムチップセットについて、最低発注数がかなり高いことを理由に、Microsoftが開発中止を決断したことがリーク情報で明らかになりました。
AMDが専用チップセットの開発を行うには最低1000万台以上の注文を要求

Microsoftが開発するXboxハンドヘルド型に関しては、AMD製のカスタムチップセットを搭載予定でした。2025年第四四半期を目標にチップセットの基礎設計が完了し、実際のチップが試験生産されるテープアウトを迎えるはずだったことを、リーカーのKeplerL2氏が明らかにしています。
しかし、MicrosoftはAMDとXboxのハンドヘルド向けのチップセット開発について合意しなかったようです。
その主な理由として、AMDは専用開発には最低1000万台の発注を要求した一方で、Steam Deckが500万台、ASUS ROGやLenovo Legionなどのハンドヘルドが100~200万台程度しか販売されていない現状があります。このため、Microsoftとしては、AMDからの大規模な違約金発生のリスクを取れなかったようです。
Microsoftはハードウェア事業に消極的?

Xboxを巡っては数日前に、Microsoftが次世代Xboxの開発を中止したというリーク情報が出ていましたが、Microsoftはコメントを発表し「AMDと結んだパートナーシップを基に次世代ゲーム機を作り続ける」ことを明らかにしています。

ただ、Microsoftの直近の決算においては、Xboxのハードウェア事業の収益は販売台数の減少が原因で前年比29%の減益を記録しています。一方で、Activisionの買収などによりコンテンツやサービス事業は前年比61%の増益を記録しました。
大規模なリストラやクラウド、AI投資拡大への原資が必要なMicrosoftとしては、Xboxハードウェアなど不採算事業が選別の対象となっても不思議ではありません。
特に、ハンドヘルド型デバイスについては通常のコンソールよりもニッチであるほか、ソニーが2027年以降にPS6ハンドヘルド型の投入を予定するなど、競争環境が非常に厳しくなることは確実です。このため、Microsoftとしては慎重な姿勢とならざるを得ないようです。
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