SSD不足が深刻化。AIブームで納期1年待ちの製品も

AIブームなどによりクラウドサービスの需要が拡大し、世界各国でデータセンターの建設ラッシュが起きています。

この状況を受けて、世界的にSSDの供給不足が深刻化していることが分かりました。特にデータセンター向けの高性能SSDを中心に、納期が1年以上先まで埋まっている事態に陥っています。

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NANDフラッシュの主要メーカーは生産ラインをフル稼働。それでも供給不足

韓国の業界筋によると、サムスンやSK Hynix、キオクシアなど主要なNANDフラッシュメーカーは、SSD向けに生産ラインを最大稼働率で運用しているとのことです。

しかし、それでもAI学習用サーバーのストレージ需要が予想を大きく上回っており、在庫が急速に消化されている状況です。さらにGoogleやAmazon、Microsoftなどグローバルクラウド事業者からの大量発注も重なり、供給が追いつかない状態になっています。

特に8TB以上の高容量製品は深刻で、すでに1年先にあたる2026年下半期分の生産枠までほぼ埋まっているとされています。業界関係者は「これは一時的な品薄ではなく、ストレージ市場の構造的変化を示している」と指摘しています。

データセンターでSSDが主力に。HDDを上回る容量シェアに

市場調査会社TrendForceによると、2023年に世界のデータセンターで新規導入されたストレージのうち、SSDが占める比率は62%に達し、初めてHDDを上回りました。2024年にはこの比率が70%を超えています。

別の調査会社Gartnerは、AIサーバー1台あたりのSSD搭載容量が前年比30%以上増加しており、HDD需要は3年以内に半減すると予測しています。

サーバー向けストレージではこれまで、容量あたりの単価が安いHDDが主力でしたが、最近ではSSDの容量あたりの単価が下がっていることに加え、HDDに比べてデータアクセス速度が非常に高い一方で、発熱や消費電力が少ないことから、AI用途などパフォーマンスが求められる環境ではSSDがメインに用いられるようになってきています。

様々な調査会社は、このトレンドが今後も続くと見ており、SSD需要は、AIブームの収束などがない限り高い状態が続く見通しです。

SSDを買うなら早めが吉。価格高騰の可能性大

この供給不足とNAND価格の上昇は、一般消費者向けSSD市場にも影響を及ぼす可能性が高いと見られています。

NANDフラッシュメモリやNVMe SSDなどの最終製品を製造するメーカー側は、利益率の高いエンタープライズ向け製品の供給を優先するため、コンシューマ向けSSDの供給は後回しになる可能性が高まっています。そのため、今後供給に対して需要が上回るようなことになれば値上げ基調となる可能性が高くなっています。

ただし、コンシューマ向けSSDは現時点では在庫数も比較的多く推移しているとも言われています。そのため、この供給不足による価格高騰が即座に発生することはありません。しかし、2025年終わりから2026年にかけて価格が上がることは確実と見られているため、新たにSSDを購入する場合や容量を拡大させる際には、早めの購入が賢明です。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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