Qualcommは2026年後半に同社初の2nmプロセスを採用したSnapdragon 8 Elite Gen 6を発表する見込みです。このチップセットに関する新たなリーク情報が登場しましたが、先進的な技術を多数搭載するなど価格高騰が懸念されています。
Snapdragon 8 Elite Gen 6の一部仕様が判明。価格高騰は必須に
中国のリーカーである数码闲聊站氏からの情報によると、Snapdragon 8 Elite Gen 6は、AppleのiPhone 18シリーズに搭載されるA20やA20 Proよりも先進的な製造プロセスを採用することが明らかになりました。
具体的には、TSMCの2nmプロセスのうち、AppleのA20チップは第一世代のN2プロセスを採用する一方で、Snapdragon 8 Elite Gen 6では動作クロックなどの向上が可能なN2Pを使用するとされています。
Snapdragon 8 Elite Gen 6は、直前の世代であるSnapdragon 8 Elite Gen 5の後継として位置づけられており、Appleと足並みを揃える形で2nmプロセスへ移行する最初のQualcomm製チップセットになると予想されています。
N2Pは超高額。本当に採用するのか不透明とも
リーカーの主張では、Snapdragon 8 Elite Gen 6はTSMCのN2Pプロセスを採用するとされています。しかし、元々2nmは第一世代でも3nmから50%値上げとなるウェハーあたり30,000ドルという価格設定になっており、N2Pを採用する場合はこれよりもさらに価格が高騰することになります。
また、N2Pは動作クロック向上など性能に特化した製造プロセスでもあります。そのため、AMDの次世代CPUにあたるZen 6 CPUで採用されると言われているほか、IntelのNova Lakeでも採用予定があるなど、製造キャパシティーが少ない最新プロセスにしては需要が非常に多い状態です。
そのため、Qualcommが価格面および製造面でN2Pを本当に採用できるかは懐疑的に見る必要もありそうです。ただ、仮にN2Pが採用された場合には現行のSnapdragon 8 Elite Gen 5をさらに上回る供給価格になるなど各社スマートフォンメーカーでの採否が分かれる事になりそうです。
LPDDR6とUFS 5.0対応など全体的に性能向上
製造プロセスについては不確実なところがありますが、対応メモリーやストレージ技術などは現実的なリークになっています。
リーク情報によると、メモリーにはLPDDR6に対応するほか、ストレージはUFS 5.0などそれぞれ2026年時点で最新鋭の規格に対応することが明らかになっています。
LPDDR6メモリーは、LPDDR5xと比較してデータ転送速度が大幅に向上するほか、消費電力の削減も期待されています。また、UFS 5.0ストレージは読み書き速度がUFS 4.0から約2倍に向上するとされています。
これにより、高性能化する内蔵GPUなどに対してメモリーがボトルネックとなる可能性が低くなり、グラフィックス性能の向上が期待できます。また、メモリー速度向上に加え、UFS 5.0対応によるストレージ速度向上により、オンデバイスAIの処理速度向上やモデル規模の拡大なども可能になります。これにより、今まで以上にAIを活用したスマートフォンを実現することが可能となります。
ただし、これらの新規格を実際に採用するかどうかは、Qualcommではなくスマートフォンメーカー側の判断に委ねられます。特にLPDDR6やUFS 5.0は高コストになる可能性があるため、フラッグシップモデルでの採用が優先され、ミドルレンジモデルでは従来規格が継続される可能性もあります。
投入時期は2026年秋以降
Qualcommは例年、秋に新世代のフラッグシップチップセットを発表しているため、Snapdragon 8 Elite Gen 6も2026年9月から10月ごろに発表される見込みです。そして、このチップセットを搭載したスマートフォンは、2027年初頭から市場に投入されると予想されています。



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