Nintendo Switch 2に内蔵されるチップセットはサムスンの8nmプロセスを採用することでコストを抑えているといわれていますが、そのサムスンが8nmプロセスなど古めのプロセスで10%の値上げを予定していることが明らかになりました。
サムスンが8nmプロセスの値上げを予定。Nintendo Switch 2の価格に影響?
サムスンファウンドリーはここ最近、TSMCに対抗できる2nmプロセスの実用化などで注目を集めていますが、主力顧客を持つ製造プロセスは8nmなど古めのプロセスに集中しています。そんなサムスンが8nmや4nmなど古めのプロセスについて10%ほどの値上げを計画しており、同プロセスを使うNintendo Switch 2などのコストや販売価格に影響を与える懸念が出てきています。
需要集中で生産能力が限界に。4nmと8nmが対象
韓国のZDNet Koreaによると、サムスンは同社と取引関係にある企業に対して8nmおよび4nmプロセスについて値上げの可能性を通知したとのことで、その値上げ幅は10%前後と比較的大きなものになるようです。値上げの理由としては、8nmや4nmはいずれも古めのプロセスであることからコストパフォーマンスの良さで選択される傾向があり、最近では生産能力の限界に達していることが挙げられています。
特に8nmについては古めのプロセスであるため生産能力に限りがある一方で、Nintendo Switch 2で採用されているほか、最近ではTSMCやメモリ価格の値上げに伴いNVIDIAがサムスン8nmで製造されるGeForce RTX 3000シリーズの再生産を検討するなどコンシューマー向け製品での採用例が増えています。さらに車載向けでも採用されるなど、比較的人気のプロセスとなっています。
| 期間 | TSMC | サムスン |
|---|---|---|
| 2024年Q1 | 61.7% | 11.0% |
| 2025年Q3 | 71.0% | 6.8% |
一方でサムスンについては、2nmで顧客から注目を集めているものの、実際のシェアは下落傾向にあり、2024年Q1時点では11%あったシェアが2025年Q4では6.8%と大きく落ち込んでいます。同社は2027年までに収益化を達成し、市場シェア20%を目指す計画を掲げているため、生産能力の限界は表向きの理由であり、本音としては8nmなど比較的人気のプロセスの値上げを通じて、中長期的な収益性改善と先進プロセスへの投資余力を確保するための施策と見られています。
Nintendo Switch 2の値上げに直結する可能性?
Nintendo Switch 2は心臓部ともいえるチップセットにサムスン8nmを採用しており、製造コストに占めるチップセットの割合は高いと考えられるため、同プロセスの値上げは製造コストに大きな影響を与えるものと見られます。加えて、最近ではメモリなどの部材価格も40%ほど高騰しているため、サムスン8nmの値上げも重なればNintendo Switch 2は損益分岐点を下回り、売れば売るほど赤字に陥る可能性が指摘されています。
もっとも、任天堂は「ハードウェアを赤字では販売しない」という基本方針を掲げており、2026年度第三四半期決算での質疑応答においてもハードを売ると赤字になるような状況は可能な限り避けたいことを明らかにしているため、状況次第では値上げも本格的に視野に入ってくると考えられます。一方で、同質疑応答では2年目、3年目はハード普及に重要な時期でもあり、ソフトウェアの販売によって収益性を確保するという選択肢もあることを示唆するなど、難しい判断を迫られている様子もうかがえます。
サムスンの8nmを採用する主力製品としてはNintendo Switch 2が筆頭に挙げられますが、この値上げが事実であり実際に10%もの値上げが行われれば、チップセットが製造コストの大部分を占めることからNintendo Switch 2が値上げされる可能性はかなり高まるといえそうです。
もっとも、サムスンと任天堂がどのような契約形態となっているかで値上げの反映度合いは変わってくるほか、仮に値上げが行われても交渉によって値上げ幅が抑えられる可能性もあるため、10%がそのまま反映されるわけではないと考えられます。とはいえ、メモリ価格高騰に加えてチップセットの値上げ、さらに発売2年目、3年目は普及に向けて重要な時期でもあることから、任天堂にとってNintendo Switch 2の採算性は頭の痛い問題となりそうです。
なお、消費者の立場からすると、Nintendo Switch 2の購入を検討しているのであれば早めの決断が賢明かもしれません。今後値下げされる可能性はゼロに等しい一方で、値上げの可能性は十分にあるためです。



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