AMDはZen 5とRDNA 3.5を備えたノートPC向けAPUベースの製品をデスクトップ向けにも展開することが、最近公開されたAGESA BIOS 1.2.7.0で明らかになりました。このAPUの中には、最大16基のCompute Unitを搭載し、比較的高いグラフィックス性能を持つStrix Pointも含まれることが判明しています。
Ryzen 9000Gには高性能GPUを備えるStrix Pointも含まれる見通し
数日前からAMDのソケットAM5を備えるマザーボード向けにAGESA BIOS 1.2.7.0が公開され、同BIOSの対応CPUの中にZen 5+RDNA 3.5を内蔵するノートPC向けAPUのミドルレンジモデルにあたるKrackan Pointが含まれていることが明らかになりました。

この時点では、より高性能な内蔵GPUを持つStrix Pointは存在しないのではないかと見られていました。しかし、UEFIToolを使用してAGESA BIOS 1.2.7.0を解析したHXL氏によると、Strix Pointと見られる「STRIX」という文字列がBIOS内に存在することが明らかになりました。
There is still hope. pic.twitter.com/Vrm5IVKYBd
— HXL (@9550pro) October 20, 2025
内蔵GPU性能はGeForce GTX 1650超えでゲーミングも可能に?
Strix PointはCPU側にZen 5を4コア、Zen 5cを8コア備えた合計12コア24スレッド、内蔵GPU側にはRDNA 3.5で構成されるCompute Unitを最大16基備え、Radeon 890Mという名称が付けられています。
ノートPC向けの最上位モデルで同GPUを搭載するRyzen AI 9 HX 370では、内蔵GPUの動作クロックは最大2.9GHzに設定されており、ゲーミング性能はディスクリートGPUのGeForce GTX 1650並みを発揮します。
そのため、デスクトップ向けのRyzen 9000Gシリーズとして展開される際には、動作クロックのさらなる向上に加え、TDPも最大65Wまで使えるように設定されることから、Ryzen AI 9 HX 370で見られていた時よりも高いグラフィックス性能が期待できます。
ただし注意点として、高性能な内蔵GPUのボトルネックはVRAM代わりに使われるメインメモリーの速度となるため、同APUの持つ高い性能を十分に発揮させるにはDDR5-6000MT/sなど比較的高速なメモリーを備えておく必要があります。
発表は2026年1月のCES 2026?
Strix PointやKrackan Pointを含めたRyzen 9000Gシリーズの発表は、2026年1月に開催されるCES 2026にて実施されると見られています。
価格などの詳細は明らかになっていませんが、Strix Pointに関してはノートPC向けでもかなり高価なAPUであることがOEMから明らかにされているため、仮にデスクトップ向けが発売されても、現行のRyzen 7 8700Gで見られている5〜6万円の価格を上回ることは確実と見られています。



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