Ryzen 9000Gシリーズがまもなく登場? 中身はRDNA 3.5を8コア搭載のKrackan Point

AMDのZen 5アーキテクチャを採用したAPUが、ついにデスクトップ向けAM5プラットフォームに登場する可能性が高まっています。最新のAGESA BIOSにKrackan Point APUのサポートが追加されたことで、年内にもRyzen 9000GまたはRyzen AI 300シリーズのデスクトップ版が投入される可能性が出てきました。

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Ryzen 9000Gシリーズが近々発売? AGESA BIOSにKrackan Point CPUが登録される

AMDは例年、新しいアーキテクチャが発売された後、同じアーキテクチャを搭載し内蔵グラフィックス性能を強化したノートPC向けAPUをデスクトップ向けにも展開しています。Zen 5世代においても同様の展開が行われる可能性が、ASUSの新しいAGESA BIOS ComboAM5PI 1.2.7.0から判明しました。

新しいBIOSには「00B60Fxx」というマイクロコードが含まれており、対応CPUファミリーが明らかになっています。

このマイクロコードはKrackan Point 1およびKrackan Point 2シリーズに属するものです。これまでモバイル向けのみに投入されていたKrackan PointシリーズがAM5プラットフォームにも展開される可能性を示しています。

ノートPC向け上位APUの「Strix Point」は投入されず?

Krackan Point 1はRyzen AI 7シリーズ、Krackan Point 2はRyzen AI 5シリーズとしてノートPC向けに投入されているAPUです。

APUStrix PointKrackan Point 1Krackan Point 2
採用製品Ryzen AI 9シリーズRyzen AI 7シリーズRyzen AI 5シリーズ
CPUZen 5 x4 + Zen 5c x8Zen 5 x4 + Zen 5c x4Zen 5 x1 + Zen 5c x3
内蔵GPURDNA 3.5RDNA 3.5RDNA 3.5
Compute Unit16コア8コア2コア
NPUXDNA 2 (50 TOPs)XDNA 2 (50 TOPs)XDNA 2 (50 TOPs)

Krackan Point 1は、CPUにZen 5を4コア、Zen 5cを4コア内蔵したハイブリッドコアの8コア構成です。内蔵GPUにはRDNA 3.5で構成されるCompute Unit(CU)を8基搭載しています。

一方、Krackan Point 2はZen 5を1コア、Zen 5cを3コアの合計4コアを搭載し、内蔵GPUもCUを2基のみ搭載するエントリー向けとしてラインアップされています。

デスクトップ向けには、この2種類のCPUのうち、おそらく上位モデルのKrackan Point 1が投入されると考えられます。しかし、このKrackan Point 1は、ノートPC向け上位モデルに当たるStrix Pointに比べるとCPUコアが4コア少ないほか、内蔵GPUはCU数が半減するなど、大幅なスペックダウンとなっています。

また、現行のRyzen 8000Gの最上位モデルに当たるRyzen 7 8700Gと比較しても、アーキテクチャはRDNA 3からRDNA 3.5に刷新されているものの、CU数は12基に対してKrackan Point 1は8基に減っています。そのため、グラフィックス性能は同等レベルか、若干劣る可能性すらあります。

今回のAGESA BIOSには含まれていませんが、将来的にKrackan Pointではなく、Strix Pointのデスクトップ版がラインアップに追加されることが期待されます。

デスクトップ向けとして初のNPUを搭載。名称もRyzen AIに変更?

AMDは、MicrosoftのCopilot+に対応する高性能NPUを搭載する製品を「Ryzen AI」というブランドでラインアップしています。このKrackan Pointがデスクトップ向けに投入された場合、デスクトップ向けにも初めてこの「Ryzen AI」ブランドが適用される可能性があります。

また、このRyzen AIブランドへの変更に伴い、Ryzen 9000Gシリーズではなく、Ryzen AI 300シリーズなどモデル名が大幅変更される可能性も秘めています。この新しい名称は2026年以降に登場するZen 6世代のデスクトップ向けCPUにも適用されることから、Zen 5世代のデスクトップ向けAPUのスペックが控えめであることもあり、AMDがどのようなブランディングをデスクトップ向けに展開するかの方が注目を集めそうです。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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