AMDは2026年1月開催のCES 2026にて、現行Ryzen 7 9800X3Dのリフレッシュモデルにあたる「Ryzen 7 9850X3D」の正式発表を予定しています。今回、一足先に同CPUのベンチマーク結果が登場しました。
Ryzen 7 9850X3DのPassmarkベンチマークの結果が登場
Ryzen 7 9850X3Dは現行のRyzen 7 9800X3Dをベースとした新モデルで、より高いゲーミング性能が期待されています。
| 項目 | Ryzen 7 9850X3D | Ryzen 7 9800X3D | Ryzen 7 7800X3D |
|---|---|---|---|
| コア/スレッド | 8/16 | 8/16 | 8/16 |
| アーキテクチャ | Zen 5 | Zen 5 | Zen 4 |
| 最大クロック | 5.6 GHz | 5.2 GHz | 5.0 GHz |
| L3キャッシュ | 96 MB | 96 MB | 96 MB |
| TDP | 120W | 120W | 120W |
Ryzen 7 9850X3DとRyzen 7 9800X3Dは、コア数やキャッシュ容量、TDPなどは同一ですが、唯一異なるのがブースト時の最大クロックです。従来の5.2 GHzから5.6 GHzへと大幅に引き上げられています。
この引き上げは、新しいステッピングを採用したCCDを搭載したためと見られています。最大クロックの向上だけでなく、複数コアを使用する状況下でも高めの動作クロックが維持できることで、さらなる性能向上が期待されています。
PassMarkベンチマークではシングル、マルチ共に5%ほど向上
| モデル | シングルコア | マルチコア |
|---|---|---|
| Ryzen 7 9850X3D | 4632 | 41840 |
| Ryzen 7 9800X3D | 4425 | 39962 |
| Ryzen 7 7800X3D | 3760 | 34296 |
| Ryzen 7 5800X3D | 3233 | 28295 |
PassMarkベンチマークにおける各モデルの比較では、Ryzen 7 9850X3DはRyzen 7 9800X3Dに対して、シングルスレッド・マルチスレッドの両方で約5%の性能向上を記録しています。
Zen 4世代のRyzen 7 7800X3Dとの比較では、シングルスレッドで約23%、マルチスレッドで約22%の性能向上となっています。既存のAM5マザーボードユーザーにとって魅力的なアップグレードパスになりそうです。
AM4プラットフォームのRyzen 7 5800X3Dからの乗り換えでは、シングルスレッドで約43%、マルチスレッドで約48%の性能向上が期待できます。プラットフォーム移行の価値は十分にあると言えるでしょう。
ゲーミング性能に期待。CES 2026で発表し2026年3月までに発売?
Ryzen 7 9850X3Dは動作クロックが引き上げられているため、現行のRyzen 7 9800X3Dに対してゲーミング性能で5〜10%程度の向上が期待できます。ゲーミング向けCPUとしてのRyzenの地位をより一層強固なものにする製品になりそうです。
Ryzen 7 9850X3Dは、3D V-Cacheダイを2基搭載すると言われているRyzen 9 9950X3Dとともに、2026年1月開催のCES 2026で正式発表される見込みです。発売は同年3月末までになると予想されています。
Ryzen 7 9850X3DはCES 2026での発表がほぼ確実視されており、ここ最近ベンチマークも出始めています。発売も早ければ2026年1月末に行われる可能性があります。
性能面では、Passmarkなど純粋なCPUの計算能力を測るベンチマークでは動作クロック引き上げ分の向上にとどまっています。ただし、元々ゲーミング性能が競合のIntelより相当高い水準にあるため、数%の性能向上でもインパクトは大きいと考えられます。
なお、Ryzen 7 9850X3Dは2026年初頭に発売されますが、DDR5の価格高騰もあり新規での購入需要は限定的かもしれません。マザーボードメーカーと協力したセールなどの販売施策が実施されるのか、注目されるところです。



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