AMDは2026年上半期までに複数の新しい3D V-Cache搭載のRyzen 9000X3Dシリーズを発売する見込みです。今回、PassMarkベンチマークのデータベースに未発表のRyzen 7 9700X3Dと呼ばれるCPUが登録されていることが判明しました。ベンチマーク結果によると、このCPUは現行のRyzen 7 9800X3Dとほぼ同等の性能を発揮しています。
Ryzen 7 9700X3Dのベンチマーク結果が登場。廉価版Zen 5 3D V-Cacheモデルがまもなく登場?
PassMarkのベンチマークデータベースに掲載されたRyzen 7 9700X3Dは、8コア16スレッド構成のZen 5アーキテクチャベースのプロセッサです。基本的な仕様はRyzen 7 9800X3Dと同じになる見込みで、L2キャッシュは8MB、L3キャッシュはCCDの32MBと3D V-Cacheの64MBを合わせた96MBとなります。CPU合計では104MBのキャッシュを備えていると見られます。
性能はRyzen 7 9800X3Dとほぼ変わらず

PassMarkでのベンチマークスコアを見ると、Ryzen 7 9700X3Dはマルチスレッドで40,438ポイント、シングルスレッドで4,687ポイントを記録しています。
これに対し、現行のRyzen 7 9800X3Dはマルチスレッドで39,982ポイント、シングルスレッドで4,427ポイントとなっており、両者のスコアはほぼ同等です。
PassMark上ではRyzen 7 9700X3Dの動作クロックは5.8GHzと記載されています。これはRyzen 7 9800X3Dの5.2GHzを大きく上回る設定です。ただし、この値についてはベンチマークが行われた環境でオーバークロックなどが設定されていた可能性が高く、定格設定は5.0GHzなどRyzen 7 9800X3Dより低めに設定される可能性が高いと見られます。
それでも性能自体はRyzen 7 9800X3Dに大きく劣らないと考えられるため、コストパフォーマンスの観点ではかなり高いCPUになることが予想されます。
ゲーミング市場を席巻へ。Ryzen 7 9700X3Dの価格は6~7万円台?
Ryzen 7 9700X3Dの発売時期についての詳細情報はまだ出ていませんが、Ryzen 9 9950X3DやRyzen 7 9850X3Dなどの新製品がCES 2026で発表される可能性を考慮すると、Ryzen 7 9700X3Dも同時期に発表されると予想されます。2026年第1四半期までには発売される見込みです。
販売価格はモデル名の通りRyzen 7 9800X3Dの下位モデルにあたるため、現行Ryzen 7 9800X3Dが発売時に8.6万円で販売されていたことを踏まえると、発売当初は7.9万円程度で販売されると考えられます。ただし、発売直後の価格を超えれば、Ryzen 7 9800X3Dの実売価格である7.3万円を下回ることは確実と言えます。2026年春ごろには6万円台後半での購入も期待できるでしょう。
AMDは3D V-Cacheを搭載する製品としてRyzen 7 9800X3D、Ryzen 9 9900X3D、Ryzen 9 9950X3Dの3モデルを発売していますが、今後最廉価モデルとしてRyzen 7 9700X3Dがラインアップに加わることで、ゲーミング市場におけるAMD製CPUのシェアはさらに拡大すると考えられます。



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