AMDのRyzenに内蔵されるGPUは、2024年に発売されたRyzen AI 300シリーズからRDNA 3.5アーキテクチャが採用されています。このRDNA 3.5について、AMDは2029年頃までメインストリーム向けモデルに継続採用する計画であることが明らかになりました。
AMDはRDNA 3.5をメインストリームで使い続ける方針
AMDはRDNA 3系アーキテクチャをAPU用の内蔵GPUとして長年使い続けています。初代RDNA 3は2023年に登場したZen 4世代のRyzen 7000シリーズAPUに初採用され、改良版であるRDNA 3.5は2024年に登場したZen 5世代のRyzen AI 300シリーズAPUに搭載されました。
一方で、AMDのGPUアーキテクチャは既にRDNA 4世代が2025年にデスクトップ向けへ投入されているほか、RDNA 5世代のGPUを2027年に投入する計画となっています。しかし、AMDは少なくともメインストリーム向けモデルには最新の内蔵GPUを採用せず、2024年に登場したRDNA 3.5を2029年まで使い続けることがリークにより明らかになりました。
メインストリームはRDNA 3.5が2029年まで。RDNA 5はハイエンドのみ搭載
リーカーのKepler_L2氏によると、AMDはAPUに内蔵されるGPUのラインアップを2つに分ける見通しです。省電力性能が求められる製品や、内蔵GPU性能が重視されないメインストリーム向け製品では、RDNA 3.5が2029年投入予定の製品まで継続採用されるとのことです。
AMD is dividing their APU roadmap into:
— Kepler (@Kepler_L2) January 24, 2026
a) Products targeting lower end markets or markets that don't need good iGPU performance (i.e office laptops, and also laptops using high-end dGPUs). These will continue to use RDNA 3.5 until 2029.
b) "Premium" iGPU products with RDNA5. https://t.co/dfPw4G2Ee9
そのため、現行のRyzen AI 300シリーズ(Strix Point/Krackan Point)後継で2027年初頭に登場予定のZen 6世代メインストリーム向けモデル「Medusa Point」もRDNA 3.5を搭載することになります。2029年まで継続採用されるとなると、Zen 7世代の「Grimlock Point」でも一部モデルがRDNA 3.5搭載となる見込みです。

一方で、ハイエンドモデルはRDNA 5を搭載する見通しです。Zen 6世代ではMedusa Premium(別のリークではMedusa Halo Mini)やMedusa HaloがRDNA 5を搭載する計画となっています。
なお、AMDはMedusa PremiumとMedusa Haloに「GMD」と呼ばれるGPU専用ダイを搭載するとのことで、RDNA 5などハイエンド内蔵GPUを搭載する製品は、CPU、I/Oダイ、GPUがすべてチップレット化される見通しです。
Intelの動向次第では計画が変わる可能性も
RDNA 3.5を5年以上も使い続ける背景には、AMDの内蔵GPUが競合のIntelに対して性能面で優位性を確保できていたという事情があります。GPU性能を武器として販売されるHalo系APU以外では、大幅な性能向上は不要な状態でした。
しかし、IntelがCES 2026で発表したPanther Lakeは全体的に内蔵GPU性能が引き上げられており、上位モデルのCore Ultra XはStrix Pointを大きく上回り、Strix Haloに迫る性能を示しています。また、通常モデルのCore Ultraシリーズも比較的高い性能を持つと想定されています。
Zen 6世代では間に合いませんが、Intelの動向次第ではZen 7世代でメインストリーム向け製品でもRDNA 5への移行が行われるなど、AMDが計画変更を迫られる可能性もありそうです。
AMDは長年、ノートPC向けではVegaアーキテクチャを使い続けていた過去があります。しかし2023年以降、ノートPC向けCPU市場でシェアを獲得することを目的に、APUの内蔵GPU性能を大幅に強化する戦略へ転換しました。2023年にはZen 3+とRDNA 2を組み合わせたRembrandt、2024年にはZen 4とRDNA 3を組み合わせたPhoenixと、内蔵GPUを毎世代で刷新し、Intelのシェアを着実に奪取することに成功しています。
この成功と、Intelが反転攻勢に出てこなかったことから、2024年に投入されたZen 5世代のStrix Pointから刷新のペースは鈍化しました。最終的には「RDNA 3.5を数年間使い続けても競争力は確保できる」と判断するに至ったと言えそうです。
ただ、Panther Lakeの出来栄えが予想以上に良いことや、Nova LakeでさらにXe3Pを投入して内蔵GPU性能を引き上げる計画があることから、メインストリーム向けでもRDNA 5への切り替えが検討される可能性があります。両社間での競争活性化に期待が集まります。



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