AMDのグラフィックカードを巡っては、DRAM価格高騰によりAIB各社に対して値上げを通知したことが数日前に明らかになっていましたが、不明だった値上げ幅について明らかになりました。
AMD Radeon RX 9000シリーズ含む全GPUが10%以上値上がりへ
AMDのグラフィックカードは、数日前に中国経由のリークでRadeon RX 9000シリーズ含むすべてのグラフィックカードで値上げ通知がAIBに対して行われたことが明らかになっています。この主な理由は、ここ最近になり顕在化しているDRAM不足とそれに伴う価格の大幅高騰です。
ただ、当初明らかになった情報は値上げが通知されたという話だけで、具体的な値上がり幅などは明らかになっていませんでした。しかし、ASUSやGIGABYTEなどAIBが多く存在する台湾国内の経済紙である経済日報が、AMDがAIBに対して通知した値上げ率が最低でも10%に達することを明らかにしています。
Radeon RX 9070 XTなどGDDR6を多く搭載する製品ほど値上げ率が大きい可能性も
経済日報もこの値上げ理由はGDDR6などのDRAM製品の価格高騰が主な要因としています。実際にGDDR6のスポット価格は、一般的に使われている2GBモジュールで2024年終わりから2025年初め頃までは11ドル程度で取引されていました。しかし、2025年11月24日現在の価格は25ドルと2倍以上に跳ね上がっています。
これは2GBのGDDR6を合計8枚搭載するRadeon RX 9070 XTやRX 9060 XT 16GBモデルなどでは1.8万円ほどコストが上がるという計算になります。また、GDDR6を4枚搭載するRadeon RX 9060 XTなどでも9,000円の値上がりとなります。そのため、経済日報が明らかにしている10%という値上げ率はあくまで最低であり、RX 9070 XTやRX 9060 XT 16GBなど現行の売れ筋製品では現時点の価格に対して20%を超えるような値上がりが今後予想されることになります。
数週間で販売価格に反映される見通し
ASUSやGIGABYTE、PowerColorなど主要なAIB各社はすでにAMDからの値上げ通知を受け取っており、すでに生産されているグラフィックカードはAMDから提示された値上げが反映された状態になっています。そのため、旧価格で卸されたグラフィックカードの在庫がなくなり次第、代理店や量販店は販売価格の値上げに踏み切ると考えられます。年内には値上がりしたRadeon RX 9000シリーズなどが市場に流通し始めることになるでしょう。
ブラックフライデーなどがラストチャンスになるかも?
11月末はブラックフライデーセールとして各量販店でセールが開催されています。特にAmazonではブラックフライデーセールで価格の値引きが行われる場合があるほか、Amazon Prime会員かつAmazonマスターカード保有者であればブラックフライデー期間限定でポイント還元率アップなどの特典があります。
例えばRadeon RX 9070 XTは玄人志向製が93,736円で販売されています。この価格はRX 9070 XTとしては安価な分類になりますが、もしAmazonポイント還元で最大額を受け取れれば5,916ポイント受け取ることができ、実質87,820円で購入ができます。
なお、ほかにもRX 9070 XTやRX 9060 XT 16GB/8GBなどがAmazonや量販店では販売されていますが、特にAmazonを筆頭に安い製品は売り切れ始めているため、もしグラフィックカードの買い替えを考えている人は早めに動いた方が良さそうです。
AMDのグラフィックカードは値上げが確定したことは明らかになっていましたが、その値上げ率は最低でも10%と決して小さくはありません。また、経済日報が言う通り10%は「最低」であり使っているGDDR6の枚数次第で値上げ率は大きく変わることは確実と言えますので、特にRX 9070 XTなどハイエンドモデルほど値上がりの影響を色濃く受けると考えられます。
なお、GDDR6などを原因とする値上がりはAMDのみならずNVIDIA製グラフィックカードにも波及するのは確実視されています。
ですので、もしグラフィックカードの購入に迷っているなら早めが良いです。また、2026年内にRadeon RX 9000シリーズやGeForce RTX 5000シリーズの後継モデルが登場する可能性はかなり低いため、次世代モデル登場を心配して迷っていると言う場合もすぐに登場しないのであまり迷う必要はないと言えます。




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