PS5 デジタルエディションの容量削減版は容量以外にもコストカット要素満載

ソニーは2023年に発売した薄型PlayStation 5(PS5)のうち、廉価版にあたるデジタルエディションの仕様変更を2025年に一部地域で実施し発売しました。同モデルはSSD容量削減などのコストダウンが加えられていましたが、今回この新しいPS5デジタルエディションを分解したところ、容量削減以外の変更点も明らかになりました。

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ストレージ容量削減以外にもコストカットされたPS5デジタルエディション

ソニーは2025年9月中旬からヨーロッパ地域にてPlayStation 5(PS5)デジタルエディションのマイナーチェンジ版にあたる「CFI-2100」を発売しました。同モデルでは内蔵SSD容量が1TBから825GBに減らされていることが本体パッケージなどから明らかにされていましたが、同モデルを入手したYouTuberのAustin Evans氏が、容量削減以外に変更された点がないか本体を分解し調査を行いました。

外観はPS5 Proに近い仕様だが随所にコストダウン

2023年に発売された薄型PS5である「CFI-2000」に対して、SSD容量などが削減された新型PS5にあたる「CFI-2100」は外観が一部変更されています。変更点として、CFI-2000ではサイドパネルや端子周りの黒いストリップが光沢仕上げでしたが、全面マット仕上げに変更されました。

この変更により傷などが目立ちにくくなるなど実用性は向上しています。ただ、一般的に光沢仕様よりマット仕上げのほうが加工費は低くなるためこちらに関しては実用性向上とコストダウンのいいとこどりを行った仕様になっています。

本体の重量はCFI-2000が2.5kg程度でしたが、2.4kgへ削減されています。これにより物流費の削減が可能となりますが、1TBから825GBへ減らされたストレージ以外の部品にも変更が加えられていることを示しています。

内部はヒートシンクからマザーボードまで大幅なコストカット仕様

重量削減の原資は内部構造の変更から来ており、冷却系部品が備わるスチールプレートがCFI-2000から薄くなっているほか、APUを冷やすメインのヒートシンクも銅製のヒートパイプが6本から5本に減らされています。また、GDDR6を冷やすヒートパイプも形状がよりシンプルで加工しやすい形状に変更されるなど、随所にコストダウンが行われています。

マザーボードも大幅な変更が加えられており、今回の変更で大きく話題になったSSDはCFI-2000までは両面合わせて4枚のNANDモジュールが搭載されていましたが、新しいCFI-2100では両面合わせて6枚のNANDモジュールに変更されています。

一般的にモジュールを増やせばその分コストは増えるはずですが、この6枚構成のNANDモジュールは初代PS5と同じ構成で、デジタルエディションのみがこの構造を採用していることから、在庫を流用した可能性があります。

このほかにもAPUやGDDR6など各部品へ電力を供給するVRMがCFI-2000では7個搭載されていましたが、CFI-2100では5個に減らされるなど、SSD以外にも大きく変更されています。

消費電力や温度はほぼ変わらず。

外観変更から内部ではSSD容量、ヒートパイプ、VRMの削減などが行われている新型PS5デジタルエディションですが、消費電力はほぼ同等であるほか、本体温度もほとんど変わらないことから、SSDの容量削減という点以外では消費者に影響する変更点は少なくなっています。

PS5は2027年にPS6が控えるなど、ライフサイクルで言うと終盤に差し掛かっています。しかし、インフレや関税など製造コスト上昇に繋がる外的要因に大きく左右され、発売以降は何度も値上げが行われています。ただ、既に発売時から50%近く値段が上がっていることから、これ以上の値上げは困難と考えられ、今回のPS5のように随所にコストダウンを施したと考えられます。このままコストダウンを通じてPS5の販売価格は据え置きのままPS6発売まで持ち堪えられるのか、注目されます。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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