ソニー PS5用メモリを2026年末まで確保済みと発表。本体値上げは回避もPS Plusへの価格転嫁か

  • URLをコピーしました!

メモリ不足と価格高騰はPC市場を中心に深刻な影響を与えており、各社が軒並み値上げに踏み切っています。大量のメモリを搭載するPlayStation 5(PS5)でも値上がりへの懸念が高まっていましたが、ソニーは2025年度第3四半期の決算報告において、懸案だったメモリについて2026年中は「必要最低限の量を確保済み」であることを明らかにしました。

目次

ソニーは2026年度の年末商戦分までメモリを確保済みと説明。ただしサービス面での価格転嫁は示唆

PS5を巡っては、2025年にハードウェアの値上げが段階的に実施されました。2025年4月にはヨーロッパ、イギリス、オーストラリアで値上げが行われ、続く8月にはアメリカでもPS5全モデルが約50ドル引き上げられています。

日本市場では値上げこそ行われなかったものの、既に8万円に迫る価格帯が販売に影響する懸念があり、ソニーは日本限定の廉価なデジタルエディションモデルを投入するなど対応に追われていました。

こうした中、AI向けの需要急増を背景にDRAM価格が急騰しており、ゲーム機の製造コストにも大きな影響を及ぼしています。調査会社TrendForceによると、DRAMチップの契約価格は前四半期比で90〜95%もの上昇が見込まれている状況です。業界関係者のTom Henderson氏も2025年12月末の時点で、メモリ不足が解消されなければ2026年にPS5やXboxのさらなる値上げが予想されると報じていました。

しかし、今回の決算でソニーはメモリの供給確保について前向きな見通しを示しており、少なくとも2026年中のハードウェア値上げリスクは後退したと見られています。

PS5向けのメモリは「2026年の年末商戦に必要最低限の量」を確保済み

PS5はGDDR6メモリを合計8枚搭載するなど比較的多くのメモリを必要とする製品です。ライフサイクル後期とはいえ年間1500万台以上を販売する規模であるため、メモリ不足の影響を色濃く受けると懸念されていました。こうした状況について、ソニーのCFOであるLin Tao氏はメモリの供給確保に関して以下のように述べています。

メモリの供給確保に関しては、来年度の年末商戦を乗り切るために必要な最低限の量を確保できる状況にあります。今後もさまざまなサプライヤーとの交渉を継続し、お客様の需要を満たすだけの十分な供給量の確保を目指します。

Lin Tao CFO(ソニー 2025年度第3四半期 決算説明会より)

同氏によると、ソニーは既に2026年の年末商戦期(11〜12月)に予想されるPS5の販売台数分に相当するメモリを確保しているとのことで、少なくとも2020年から2021年頃に見られたような品薄に陥る可能性はかなり低くなっています。

ソニーがこうした先手の備蓄戦略を取るのは今回が初めてではありません。2025年前半に米国の関税強化が議論され始めた際にも、ソニーは米国内にPS5の在庫を大量に確保しており、競合他社よりも長期間にわたって値上げを回避することに成功しています。本体在庫や部品の確保において、かなり機動的な対応を見せている格好です。

PS5本体の値上げ回避の裏でPS Plusなどサービス面での価格転嫁か

Lin Tao氏はメモリ確保については明確にした一方、調達コストの高騰については具体的な言及を避けており、メモリの調達コストが上昇している可能性は十分に高いといえます。実際に、新規のPlayStationハードウェア販売についてはコスト増加による「一定の影響がある」ことも認めています。

ただし、2026年秋にはGTA VIの発売が控えており、PS5本体の販売台数が大きく伸びる最後の機会になる見通しです。ソニーとしてはこのGTA VI特需に水を差すような本体値上げは避けたいと考えている可能性が高く、Lin Tao氏も決算説明会の中で「コンソールサイクルの段階を踏まえると、ハードウェアの販売戦略は柔軟に調整可能であり、これまでに構築したインストールベースの収益化を優先することで、メモリコスト上昇の影響を最小限に抑える方針です」と述べており、本体値上げよりもソフトウェアやサービスで収益を補填する方針を示唆しています。

そのため、今後PS5本体の値上げが行われる可能性は低いものの、PS5購入後にほぼ必須ともいえるPlayStation Plusなどサブスクリプションサービスの値上げが実施される可能性は高いといえそうです。本体価格と異なり、サブスクリプションの値上げは購入判断に直接影響しにくいことから、GTA VIによる本体販売を最大化しつつメモリコストの上昇分を回収する手段として、ソニーにとっては合理的な選択肢となります。

実際に、ソニーはPlayStation Plusの値上げに複数回踏み切っており、日本を含む全世界では2023年9月に1回目の値上げが行われ、2025年春頃には一部地域限定での値上げも実施されています。ただし、主力市場である日本、米国、欧州での値上げは2023年以降行われていないことから、PS5の値上げを回避しつつ収益を確保するため、2026年にはPlayStation Plusの一斉値上げや、より収益性の高い上位ティアへの移行を促す独占コンテンツの拡充などが実施される可能性はかなり高いといえそうです。

コメント・考察

ソニーがメモリの確保を2026年度の年末商戦分まで済ませている点は、PS5発売時に発生した極度の品薄から学んだ教訓といえそうです。2025年前半の米国関税問題の際にも先手を打って在庫を積み増していた実績を踏まえると、部品調達においてかなり機動的な判断ができる体制が整っていることがうかがえます。ただし、「必要最低限の量」という表現には注意が必要で、需要が想定以上に膨らんだ場合には追加調達が困難になるリスクがあり、そうなれば品薄に陥る可能性も否定できません。

なお、PS5の価格については値上げを積極的に検討していないことが決算発表からうかがえますが、PS Plusなどサービス面で収益を補填する方針はかなり明確です。特にGTA VIの発売に合わせてオンラインマルチプレイが盛り上がるタイミングでの値上げは、ソニーにとって最も合理的なタイミングとなります。

そのため、消費者としてはPS5本体の価格が据え置かれたとしても、PS Plusなどの値上げを通じたトータルコストの上昇には備えておいた方がよいかもしれません。

関連商品
ソニー・インタラクティブエンタテインメント
¥119,980 (2026/02/07 03:18:55時点 Amazon調べ-詳細)
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

コメント

コメントする


目次