2026年1月の発売が予定されているIntel Panther Lake世代のエントリーモデル、Core Ultra 5 338HのGeekbenchベンチマーク結果が登場しました。今回のベンチマークから、同CPUに搭載される内蔵GPUが「Arc B370」という名称であることが初めて確認されたほか、性能面ではAMDのRadeon 880Mと同等レベルに達することが判明しました。
Core Ultra 5 338Hのベンチマークがリーク。Core Ultra Xにはならず
Intelが2026年以降に投入を目指しているPanther Lakeのうち、すでにハイエンドモデルのCore Ultra X7 358Hのベンチマークが登場していましたが、今回新たに確認されたCore Ultra 5 338Hは4P+4E+4LPEの合計12コア構成となります。

動作クロックはベースが1.9 GHzの一方で、ブーストクロックは3.7 GHzとかなり低い設定になっています。しかし、ベンチマーク時のログでは最大4.7 GHz程度で動作していることから、実際のブーストクロックは4.7 GHz前後になると予想されます。
キャッシュ構成については、L2キャッシュが3MB、L3キャッシュが18MBとなっています。
内蔵GPUはArc B370と名付けられる見通し
Core Ultra 5 338Hは10基のXe3コアを搭載しており、より高性能なグラフィックスを内蔵するCore Ultra X7 358Hの12基よりスペックが若干抑えられています。そのため、製品名もCore Ultra X5とは付けられず、現行モデルと同様にCore Ultra 5に設定されるようです。
また、IntelはPanther Lakeの強化された内蔵GPU性能をアピールすることを目的に、内蔵GPUを「Arc Bシリーズ」ラインアップに基づいたモデル名を付ける見通しです。今回のベンチマークでは「Arc B370」というモデル名で内蔵GPUが登録されています。そのため、上位モデルのCore Ultra X7以上に搭載される12基のXe3搭載モデルに関しては、Arc B380と命名されると予想されます。
グラフィックス性能はRadeon 880Mと同等のグラフィックス性能
Core Ultra 5 338Hに内蔵のArc B370のGeekbenchはVulkan APIで計測されており、スコアは39,406ポイントを記録しています。
| iGPU | Geekbench Vulkan API |
|---|---|
| Radeon 890M (Ryzen AI 9 HX 370) | 47,227 |
| Radeon 880M (Ryzen AI 9 365) | 42,760 |
| Arc B370 (Core Ultra 5 338H) | 39,406 |
Arc B370はStrix Point APUのうち、12基のCompute Unitを備えるRadeon 880M(Ryzen AI 9 365搭載)に迫るスコアを発揮しています。特にArc B370はまだ発売前でドライバーの完成度も低い状態にもかかわらず、このスコアを記録しています。そのため、発売時点では同等レベルの性能に達すると考えられます。

Arc B370に内蔵されるXe3アーキテクチャーについては、すでに12基のXe3を内蔵する上位モデルがノートPC向けGPUのGeForce RTX 3050に迫るゲーミング性能やGeekbenchスコアを発揮することが確認されています。下位モデルに関しても同様に高い性能を発揮すると言えそうです。
Panther Lakeは2026年1月以降に発売へ
Panther Lakeはすでに概要が明らかにされていますが、Intelから具体的なモデル構成やスペックなどは発表されていません。これらの詳細は2026年1月開催のCES 2026で発表されると見られています。
なお、実際にこれらCPUを搭載した製品はすでにGeekbenchベンチマークが出回っていることから、サンプル品も数多く出荷されていると考えられます。そのため、Panther Lakeが正式発表される2026年1月以降、これらCPUを搭載した製品はすぐに発売されるものと予想されます。



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