Intelは2026年1月以降にPanther Lake世代のCore Ultra 300シリーズを発売予定ですが、この中でハイエンドモデルにあたるCore Ultra X7 358HのCPUベンチマークの結果が登録され、現行Arrow Lakeに対する性能の向上幅が明らかになりました。
Intel Core Ultra X7 358Hの最終仕様に近いCPUベンチマークが登場
Intelが2026年1月に発売予定の次世代CPUであるPanther Lake世代のCore Ultra 300シリーズでは最終仕様に近いCPUで非常に高い内蔵GPU性能を持つことがすでにベンチマークで明らかになっています。
一方で、CPU性能はES品など初期の試作品が用いられていたことからArrow Lake世代のCPUとほぼ変わらない性能しか記録されていませんでしたが、今回新たに最終仕様に近いCore Ultra X7 358HがPassmarkベンチマークで計測され、その結果が明らかになりました。
Core Ultra X7 358Hの性能は先代モデルに対して4%向上
Core Ultra X7 358Hは合計16コア構成のCPUで、P-CoreにはCougar Coveコアを4コア、E-CoreにDarkmontコアを8コア、そしてLPE-Core用のDarkmontを4コア搭載する、4+8+4の組み合わせになっています。
これは先代のCore Ultra 7 255Hの6P+8E+2Eからコア構成が大きく変えられています。

PassmarkベンチマークのスコアではマルチコアはCore Ultra 7 255Hに対してCore Ultra X7 358Hは約4%上回る結果となりました。
シングルコア性能では358Hが255Hに対して1.4%劣る一方で、マルチコア性能では4%高速化しており、現時点での総合的な性能向上は控えめな水準に留まっています。ただし、テストサンプル数がまだ少ないため、今後さらに多くのサンプルがテストされることで、より正確な性能評価が可能になると見られています。

今回のベンチマークで最大クロックが4.8 GHzであることも確認されており、過去にリークされたスペックとも合致していることから最終仕様に近いCPUでテストが行われていると言えます。
前世代からの向上幅は控えめ。コア構成変更が理由?
Core Ultra 7 155HからCore Ultra 7 255Hへの世代交代時には、255Hがマルチスレッド性能で約20%、シングルコア性能でも同様の向上を実現していました。これは155Hがハイパースレッディングを有効にしていたにもかかわらず達成された数値であり、大幅な世代間向上でした。
これに対して、Core Ultra X7 358Hの現時点での向上幅はマルチコアで4%向上と比較的小さく、新世代となっていますが、やや控えめな結果となっています。
この控えめな性能向上の原因としてはまだ最適化が完全に終わっていないこともありますが、Core Ultra 7 255Hなどでは6P+4E+2LPEであり、P-Coreのコア数が多くなっている一方で、Core Ultra X7 358Hは4P+8LPE+4LPEとE-CoreとLPEコアを増やしていることから性能向上が限定的になっていると考えられます。ただし、Panther Lakeは性能を最優先に考えたArrow Lakeの完全な後継と言うより、省電力性能を重視したLunar LakeとArrow Lakeそれぞれの良いとこ取りをしたCPUを目指した製品になっているため、消費電力は不明ですが、Arrow Lake以下で4%向上が実現できているとすれば既に明らかになっている高い内蔵GPU性能との組み合わせにより、非常に高い競争力を持った製品になることが期待されています。
Panther Lakeは内蔵GPU性能は非常に高いと言われていたものの、CPU性能は大幅向上は無いとリークなどで言われていましたが、実際にArrow Lakeを若干上回る程度になる可能性が高そうです。ただ、Panther Lakeのような28WクラスのノートPC向けCPUはArrow Lakeの時点で既に性能面で高い水準に達しているため、省電力性能の向上や内蔵GPU性能の大幅強化によって十分高い競争力を発揮できると考えられます。
また、Panther Lakeが発売される2026年1月頃にはAMDは現行のRyzen AI 300シリーズのラインアップを維持するためバッテリー持続時間が重視される薄型ミドルレンジ以上のノートPCでは採用数が増えることが予想されます。



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