Intelは2026年以降にノートPCやデスクトップなど全ラインアップ向けにNova Lake世代のCore Ultra 400シリーズを投入予定ですが、このNova Lakeに搭載される内蔵GPUの構成について一部情報が明らかになりました。
Intel Nova LakeにはXe3とXe3Pが混在。Xe3Pはハイエンド向けのみ?
Intelは2026年後半から2027年にかけて完全刷新したアーキテクチャを搭載するNova Lakeを投入しますが、Intelのオープンソースコンパイラ「cm-compiler」の最新パッチから、Nova Lakeの各モデルに搭載される内蔵GPUに関する情報が一部明らかになりました。
コンパイラ解析からNova Lake向けにXe3とXe3Pが混在

Intelのコンパイラ「cm-compiler」の最新パッチによると、Xe3はGMD-ID(Graphics Media Descriptor、グラフィックス識別情報)で30.x.xというIDが割り当てられています。このIDに対応する製品として、Xe3を搭載するPanther Lakeの他に、Nova Lake-S、Nova Lake-U、Nova Lake-UL、Nova Lake-H、Nova Lake-HXなど幅広いモデルで採用されることが明らかになっています。
一方で、同コンパイラの別のパッチではGMD-IDにXe3Pが35.11として登録されていることも確認されており、Xe3とXe3Pが明確に区別されています。ただし、このコンパイラ上でXe3Pを示す35.11に対応する製品は、Crescent Island GPUと呼ばれるデータセンター向けGPUのみとなっており、Nova Lakeへの搭載は現時点では確認されていません。
リークでは内蔵GPU重視の製品でXe3Pを搭載?
一方でIntelはArc GPUのロードマップを発表した際に、Xe3をArc Bシリーズとして、Xe3PをArc Cシリーズとして投入することを明らかにしています。このことから、Xe3Pがデータセンター向けGPUのみに展開されるとは考えにくいのが現状です。
実際に、複数の情報源によると、一部のNova Lake CPUにはコンパイラの情報通りXe3を採用しますが、別の一部モデルではXe3Pを採用するなど使い分けが行われるようです。
詳細は不明ですが、IntelはPanther Lake世代からAMDのAPUに対抗するために内蔵GPUの大幅強化を推進しており、そのために新たに「Core Ultra X」と呼ばれる新ブランドも立ち上げます。そのため、まもなく発売予定のXe3を12基搭載するCore Ultra X9/X7の後継となるNova Lake世代のCore Ultra Xシリーズには、Xe3Pを採用する可能性が高いと見られています。
Core Ultra XならArc Celestial搭載?
IntelはすでにXe3が「Arc Bシリーズ」、Xe3Pが「Arc Cシリーズ」になることを明らかにしていますが、この情報によればNova Lake内に内蔵GPU世代が異なる製品が混在することとなり、ユーザーの混乱を招く可能性があります。
ただし、Intelはまもなく発売予定のPanther Lakeで内蔵GPUを強化した製品には「Core Ultra X」というブランド名を与えることから、Nova Lakeにおいても同様にXe3を搭載する製品はCore Ultraとし、Xe3Pなど内蔵GPU強化を行ったモデルには「Core Ultra X」というブランド名を与えることでラインアップを明確に区別すると予想されます。
Nova Lakeでは内蔵GPUの大部分でXe3を採用し、ディスプレイ関係のみXe3P化するという話もありましたが、GPU性能を強化した製品では全面的にXe3Pを採用する可能性が高くなっています。
このXe3Pの詳細は不明ですが、Xe3に対して高性能化が図られることは確実である他、Panther LakeではXe3コアを最大12基搭載しますが、Nova Lakeではコア数がどのように変化するかにも注目が集まります。
なお、内蔵GPU性能を巡ってはIntelの競合のAMDも2026年後半にZen 6世代となるMedusa Point、Medusa HaloでRDNA 5への移行による性能強化を予定しています。
そのため、Nova LakeではXe3Pへの移行に加え、コア数の増加も競争力確保という観点では必要な処置と言えそうで、今後もノートPC向けCPUの内蔵GPU性能向上には注目が集まります。



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