Nintendo Switch 2の最新ファームウェアバージョン21.0.0へのアップデート後、一部のサードパーティ製ドックでHDMI出力が機能しなくなる問題が発生していることが明らかになりました。この変更について任天堂が意図的にサードパーティ製ドックを無効化したと見られていましたが、任天堂はそのような意図は全くないと説明しています。
Nintendo Switch 2の最新ファームウェアでサードパーティー製ドックの画面出力が不可能に
任天堂はNintendo Switch 2向けに小規模な機能変更や問題修正を含んだファームウェアバージョン21.0.0の配信を11月11日から開始しました。
しかし、このファームウェアへ更新後にRedditやXなど様々なコミュニティから、サードパーティ製ドックで充電とUSB機能は動くものの、肝心な画面出力が一切できなくなったとの報告が相次いでいます。このため、任天堂がサードパーティ製ドックのブロックを行ったことが示唆されていました。
しかし、任天堂はそのような意図はないと説明しています。
任天堂側はサードパーティー製ドックの無効化する意図はないと説明
任天堂は本体ファームウェア21.0.0に更新後にサードパーティ製ドックが使えなくなる問題について、Tom's Hardwareの問い合わせに対し「任天堂は、合法的なサードパーティ製ドックの互換性を妨害または無効化する意図はありません」と説明しており、今回のアップデートによる問題は副次的なものであることを明らかにしています。
Nintendo Switch 2と純正ドックへの接続はUSB-Cを介して行われており、一般的なUSB-Cであれば「DisplayPort Alt Mode」と呼ばれる標準化された通信方式を使用します。これは、USB-C端子を使って映像信号を伝送できる技術で、これによりUSB-Cにアダプターを繋ぐことでHDMIやDisplayPort出力が可能になります。
しかし、Nintendo Switch 2ではこの標準的な通信方式を採用していません。ドックなどを接続した際には本体とドックの間で通信を行い、その通信が正しく行われなければNintendo Switch 2側は映像出力をせず、充電やUSB機能のみを提供するという方式になっています。そのため、一般的なUSB-CからHDMIへの汎用的なケーブルなどは使えなくなっています。
サードパーティーメーカーは対策ファームウェアを準備中
現在、Nintendo Switch 2向けのサードパーティ製ドックやアダプターは多数登場していますが、今回のファームウェアアップデートで多数の製品が使用不可能となったようです。
ただし、一部製品はファームウェアアップデート後も使えているという報告もあります。そのため、任天堂の説明通り、ファームウェアアップデートでサードパーティ製ドックの意図的な無効化は目的とされていないと考えられます。
なお、影響を受けたサードパーティ製ドックでは、一部のメーカーが既に対策用ファームウェアを準備中とのことで、近いうちに再びNintendo Switch 2で使用できるようになる見込みです。
Nintendo Switch 2の純正ドックは単品販売も行われていますが、価格が1万5000円とかなり高価であるほか、持ち運びには不便ということでサードパーティ製ドックやアダプターは比較的人気と需要があります。
しかし、冒頭の通りUSB-Cに独自通信を盛り込み、かつその仕様を公開せず、サイレント修正をかけたりしている点を考えると、「サードパーティ製ドックをブロックする意図はない」と明らかにしているものの、本音としては歓迎はしていないといえそうです。
そのため、今後もサードパーティ製ドックやアダプターの互換性を巡っては、ファームウェアアップデートの度に一時的に使えなくなるなど使い勝手が少々悪くなりそうです。このような製品を使っている人は、Nintendo Switch 2の本体アップデートは極力控えた方が良さそうです。



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