MicrosoftのXbox部門責任者Sarah Bond氏が、次世代Xboxコンソールについて初めて具体的な方向性を明らかにしました。新型機は「非常にプレミアムで、非常にハイエンド、厳選された体験」を提供することを目指しており、従来のXboxを大きく上回る価格帯で販売される可能性が高まっています。
Xbox責任者が語る次世代機の方向性
MashableによるASUSとXboxが共同開発したROG Ally Xハンドヘルドに関するインタビューの中で、Bond氏は次世代Xboxハードウェアについて言及しました。同氏は「次世代コンソールは非常にプレミアムで、非常にハイエンドな、厳選された体験になる」と明言し、Xboxが現行モデルよりも高性能かつ高級路線を追求することを強調しています。
PCとコンソールが融合するも価格帯は大幅に高騰
次世代Xboxについて、リークではデスクトップ向けPC並みのグラフィックス性能を備えたMagnus APUを搭載し、RDNA 5アーキテクチャーで構成されるCompute Unitを68基搭載すると言われています。また、これに伴いAPUのダイサイズは408mm²とハイエンドGPUに近いサイズ感になっています。
これは現行のXbox Series Xに搭載されているScarlett APUの360mm²を大きく上回っており、さらに製造プロセスも高価なTSMC 3nmを採用すると言われています。
そのため、Bond氏が言う「非常にプレミアム」というのは販売価格にも明確に反映されると言え、現行Xbox Series Xで設定されている499ドルを大きく上回ることは確実と言えます。
PlayStationとの競合は避け、ミドルレンジPCをターゲットに?
現行のXboxを含め、XboxシリーズはソニーのPlayStationシリーズと競合する製品として構成されており、スペックなどもほぼ同じで、価格帯も若干の上下はあるものの、競合する価格帯で販売されてきました。
しかし、現行世代のXbox Series XおよびSeries Sでは、競合のPlayStation 5(PS5)に対して販売台数で3倍以上の差が開いていると言われるなど苦戦を強いられており、次世代機に世代交代する2027年までにはその差がさらに拡大していることが予想されます。
そのため、MicrosoftとしてはPlayStationとの直接対決を避け、よりニッチになりつつも収益性が確保しやすいハイエンド路線にターゲット層をシフトすることを狙っていると考えられます。
なお、次世代Xboxの価格高騰により、競合はPlayStationからミドルレンジのゲーミングPCが視野に入ってきます。しかし、コンソールゲーム機ということでPCより高いコストパフォーマンスも狙えるため、ゲーミングコンソールでは不満だが、ゲーミングPCを購入するほどでもないという微妙なニーズを満足させる製品になると考えられます。
ただし、潜在的な顧客数は高級路線化に伴い減ると考えられます。ポジティブに捉えるとXboxブランドのリポジショニングですが、ネガティブに捉えるとこれ以上PlayStationに対抗することは困難と判断したと言えそうです。
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