Microsoftでは同社のゲーム事業を巡り、Xbox Game Passの大幅値上げやASUSが製造する「ROG Xbox Ally X」の投入など、さまざまな変化が出てきています。そうした中、同社のゲーム事業戦略において、ハードウェア開発の方向性について大きな転換が行われる可能性が浮上しました。
次世代Xboxのハードウェア製造計画が不透明に
Xboxの現行世代ゲーム機であるXbox Series XとSeries Sは、競合のソニーPlayStation 5に比べて販売面で苦戦しています。ハードウェア収益は直近1年間で25%も減少しており、販売不振が明確になっている状況です。
そのため、Microsoftはこの状況を挽回すべく、2026年から2027年の間に次世代Xboxの投入を計画しています。実際に、そのハードウェアに搭載が計画されているAMD製APUのリーク情報も登場していました。
しかし、Xbox系のリークに詳しいリーカーによると、この次世代Xboxの計画が不透明な状況にあることが明らかになっています。
ハードウェアからパブリッシャーへ転換を目論む?

過去にXboxの他機種へゲームを移植する計画をリークしたNeoGAF掲示板のユーザーSneakersSO氏によると、今まで具体的だった次世代Xboxのハードウェア製造計画が、不透明な状況に変化しているとのこと。2026年の製造開始を目指していた計画に暗雲が立ち込めている状況を明らかにしています。
一般的に、Xboxなど新型コンソールの発売に向けた準備は、比較的長いリードタイムが必要となります。しかし既に準備段階のステップの一部が満たされていないほか、今後の判断も先送りされているとのことです。
また、SneakersSO氏は、今後Xboxがハードウェア事業からソフトウェアパブリッシャーへの転換を目論んでいると見ています。収益を上げやすいCall of DutyやWorld of Warcraft、Candy Crush、MinecraftなどのIPに力を入れる方針の可能性があるとのことです。
実際にMicrosoftは、Xbox独占タイトルをPlayStationへも展開し始めています。今後もこの戦略がさらに強まるようです。
OEMがXboxの開発を引き継ぐ?
MicrosoftがXboxなどハードウェア事業から撤退することは、収益面を考えると合理性もあります。しかし一方で、対外的には問題も抱えているようです。
例えば、Xbox事業責任者のPhil Spencer氏は、次世代機について「世代間で見られる最大の技術的飛躍をもたらす」と明らかにしていました。また、MicrosoftはAMDとコンソールを含めたチップ開発契約を締結したばかりで、ハードウェア事業からの撤退は簡単には行えない状況になっています。
そのため、SneakersSO氏は、Microsoftが Xboxの自社開発を行わない一方で、ASUSのROG Xbox Ally XのようにOEMにXboxブランドを使ってもらい、今後も販売することも可能性として挙げています。
ただし、MicrosoftがXboxの自社開発の取りやめを正式発表した後は、既存ユーザーを含めてその印象は最悪となることが確実です。また、将来性も不透明となるため、Microsoftの思惑通りにOEMがXboxブランドでのハードウェアを開発するかは不確実です。Microsoftの計画通りには進まないと考えられますが、今後Xboxハードウェアに関して方針転換があるのか、注目が集まります。
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