DRAM価格高騰でメモリー容量が減少へ。エントリー向けスマホは4GB、ノートPCはメモリ8GBの時代へ逆戻り

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DDR5などDRAM価格高騰による影響がじわじわと出始めています。既に自作PC向けDDR5は年初から2倍以上に高騰しており、ノートPCなども2026年からの値上げが明らかにされています。こうした状況の中、DRAM価格高騰の影響でメモリーを中心にスペックが抑えられる方向へ進むことが明らかになりました。

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DDR5やLPDDR価格高騰によりメモリー容量は削減へ

DDR5/LPDDR5などはPCからスマートフォンまで多くの電子機器に使われていますが、最近の価格高騰を受けて各社は製品価格の値上げを検討している状況です。しかし、値上げでは対応しきれないほどの価格高騰となっているほか、販売台数の大幅減少といった懸念もあることから、2026年以降に発売されるノートPCやスマートフォンではメモリー容量を抑える方向で進む可能性を市場調査会社のTrendForceが明らかにしています。

ノートPCのメモリはハイエンドも16GBが中心。ミドルレンジでさえは8GBに縮小する可能性

TrendForceによると、メモリ価格は2026年第1四半期も大幅な上昇が続く見通しで、スマートフォンやノートPCメーカーに深刻なコスト圧力をもたらすと予想されています。

実際に、DellやLenovoなどは2026年からノートPCを中心に最大20%の値上げを計画していることを明らかにしています。こうした値上げにより販売台数などの需要が落ちるという予想も出ており、ノートPCに至っては2.4%のマイナス成長も見込まれています。

そのため、各メーカーでは販売価格への影響を最小限に抑えるためにスペックを抑える方向へ舵を切る可能性が高まっているとのことです。

ノートPC最新予測従来予測
ハイエンド16GB~64GB16GB~64GB
ミドルレンジ8~16GB8~16GB
エントリー8GB8GB

TrendForceの予想では、ハイエンドからエントリーモデルまで各セグメントが搭載するメモリー容量のレンジ自体は変わらないとしています。ただし、各社が主力とするメモリー容量は下がる方向とのことで、ハイエンドモデルは16GBが中心となり、それ以上の容量はオプション扱いになる可能性が高いとのことです。

ミドルレンジ向け製品では8〜16GBがレンジですが、各社は8GBを標準にする動きも見せているとのことです。DRAM価格次第では8GBが標準、16GBはオプションという流れになる可能性があります。

なお、エントリー向けでは8GBが標準となるようで、これ以上の削減はWindows 11のシステム要件に抵触するため実施できないとされています。

基本的に、2025年初頭からエントリー向けを含めて16GBのメモリを搭載していた時代は終わり、再び8GB標準、16GBはオプションという時代へ逆戻りしてしまうようです。

スマートフォンのエントリー向けは4GBに減少。12GB搭載ミドルレンジモデルは消滅?

スマートフォン最新予測従来予測
ハイエンド12GB~16GB12GB~16GB
ミドルレンジ6~8GB6~12GB
エントリー4GB4~8GB

スマートフォンはAI対応の需要もあり、2025年にはハイエンドモデルで16GB、ミドルレンジで12GB、エントリーで6〜8GBのメモリ容量を備える機種が増えてきました。しかし、2026年はDRAM価格高騰の影響を最も色濃く受ける見通しで、スペックが大きく低下する見込みです。

特に大きな影響を受けるのがコスト的な制約が厳しいエントリー向けスマートフォンで、メモリー容量は4GBが標準になる可能性が高いとのことです。

ミドルレンジも12GBなどの大容量は今後期待できず、市場から消える見通しです。2026年以降は8GBや6GBが中心となるようです。

一方でハイエンドモデルは値上げが正当化されやすいため、これまで通り16GBのメモリを搭載した製品も登場する見通しです。ただし、12GBから16GBへ移行する製品は減少すると予想されています。

コメント・考察

ノートPCやスマートフォンの製造コストで最も大きな割合を占めるのはCPUやチップセットですが、その次に来るのがDDR5などのDRAMと言われています。そのため、メモリの容量を抑えることでコストダウンを図るのは当然の動きとも言えます。

ただし、2025年初めはDRAM価格が安価だったことに加え、AI PCなどAI対応を訴求するために各社がメモリー容量の拡大に踏み切っていました。そのため、前年モデルからのスペックダウンが目立つ形となり、各社にとってタイミングが最悪だったと言えそうです。

なお、2026年はCPUのスペックアップも年初に登場するIntel Panther Lakeを除くと限定的です。ノートPCの購入を検討している人は年内に購入することをおすすめします。マウスコンピューターなども公式アカウントで早めの購入を推奨しており、来年まで持ち越すと高値で低スペックなPCを購入することになる可能性が高いです。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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