Steamハードウェア調査でLinuxのシェアが3%を突破。Steam DeckとProtonがシェアを牽引

Valveが公開した2025年10月のSteam Hardware & Software Surveyにおいて、Steam on Linuxの利用率が前月比0.41%増の3.05%を記録し、初めて3%の大台を突破したことが明らかになりました。

過去にLinux利用率が3%に近づいたのは約10年前のサービス開始直後ですが、当時と比較してSteam全体のユーザー数は大幅に増加しています。そのため、実質的なLinuxゲーマー数としては史上最大規模となります。

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Steamハードウェア調査でLinuxのシェアが3.05%と過去最大に

Valveが2025年11月3日に公開したSteam Hardware & Software Surveyの2025年10月データによると、Linuxユーザーの割合は前月比0.41%増の3.05%を記録しました。この数字は、Steamプラットフォーム上でLinuxが初めて3%を超えた歴史的な瞬間となります。

一方、Windowsユーザーは94.84%となり、長らく95%以上を維持していた水準から初めて95%を下回りました。macOSは2.11%で推移しています。

Linuxのシェアについては、2024年10月時点でのLinux利用率は2.00%だったことから、わずか1年間で1.05ポイントもの上昇を記録したことになります。

なお、過去にSteamハードウェア調査でLinux利用率が3%に近づいたのは、Steam on Linuxのサービス開始直後である約10年前です。しかし当時のSteam全体のユーザー数は現在と比較して大幅に少なく、実質的な利用者数という観点では今回のシェア3%突破により最大規模になったと言えます。

SteamOSがLinux全体の約27%を占める。Protonもシェア向上に貢献

Linux内訳のデータを見ると、ValveのゲーミングハンドヘルドであるSteam Deckに搭載されるSteamOSが、Linux全体の約27%を占めていることが判明しています。これは、Steam Deckの成功がLinux利用率の押し上げに大きく貢献していることを示しています。

また、Steam Deck専用のSteamOS以外にも、Windows専用ゲームをLinux上で動作させる互換レイヤーのProtonもLinuxのシェア拡大に貢献していると見られています。

ValveはProtonの継続的な対応タイトル数の増加に加え、パフォーマンスの向上やバグ修正を行っています。さらに、AntiCheat対応についてもEasy Anti-CheatやBattlEyeなどの主要なAntiCheatソフトウェアがLinuxに対応したことで、人気のマルチプレイヤータイトルもLinux上でプレイできるようになっています。これらがシェア増加に大きく貢献していると考えられます。

Linux OSを搭載する環境ではAMDが好まれる?

Windows OSとLinux OSでは、それぞれ好まれるCPUが異なっているようです。

Windows環境では57.8%がIntel、42%がAMDとIntel優位に立っています。一方、Linux OSを搭載する環境ではIntelが32.89%、AMDが67.1%とWindows環境と真逆のシェア推移になっています。

この原因として、AMDがオープンソースドライバーの開発に積極的であるため、Linuxカーネルとの親和性が高いことに加え、Steam DeckにAMD製のAPUを搭載していることも要因になっていると考えられています。

今後はさらなる成長の可能性も

今回、Linuxが3%のシェアを突破しましたが、このトレンドは今後も続くと見られています。

特にSteam Deckの後継機種の登場に加え、その他OEMが作るハンドヘルドデバイスでもSteam OSを搭載する事例があることから、ハンドヘルド型デバイスを中心にSteam OS、つまりLinux OSのシェアが増えることは確実と言えそうです。

一方でシェア拡大に向けた課題も残されています。特にアンチチートソフトなどは徐々にLinux対応が増えているものの、SecureBootなどを必要とするチート対策ツールの多くはサポートできていません。

また、SteamOSなど元々Linux系OSが入っているハードウェアの場合は問題ありませんが、WindowsからLinuxへ乗り換えるのは一般的なユーザーにとっては容易ではありません。ディストリビューションなど選択肢も多彩であることから、Linuxがさらに拡大するにはSteamOSなど使いやすいOSがデフォルトでインストールされるデバイスが増えることが必須となります。

ただ、かつては一般的なユーザーには触れにくかったLinux OSのシェアが3%を超えたのは象徴的な出来事と言えます。ハンドヘルド型デバイスが続々登場する2026年以降、そして今後登場が噂されるSteam Deckの後継機種登場後も、この成長傾向が維持されるのか注目が集まります。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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