AppleがIntel 18A採用の可能性は低い? PowerViaの放熱問題が障壁に

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Intelファウンドリに関しては、Appleが主力顧客として同社のIntel 18A-Pプロセスを用い、iPhoneやMacBook向けチップを製造する可能性が報じられています。しかし、少なくともiPhone向けチップについては、業界関係者から採用の可能性はほぼないことが明らかになりました。

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IntelでのiPhone向けチップ製造は困難?

Intelファウンドリに関しては、ここ数週間で大口顧客が興味を示しているといわれており、その中でも特に関心が集まっているのがAppleの動向です。Appleは同社製チップの製造をほぼ全面的にTSMCに依存していますが、コスト高騰や地政学リスク、アメリカ政府の意向などを踏まえ、アメリカ国内に多くの製造工場を持つIntelでの次世代チップ製造を検討しているといわれています。

実際に、2028年頃に発売されるMacBook Air向けのM7チップや、同年発売のiPhone 20向けA22チップでIntel 18A-Pの採用が検討されているといわれています。しかし、半導体業界フォーラムのSemiWikiやリーカーなど複数の業界関係者が、少なくともiPhoneへのIntel 18A採用は困難であるとの見解を示しているようです。

Intelの裏面電力供給が放熱問題を引き起こす

Intel 18A-PやIntel 14Aはいずれも「PowerVia」と呼ばれる裏面電力供給(BSPD)を全面的に採用しています。これにより電圧降下が低減され、より高く安定した動作クロックが実現できるほか、表面側の配線密度が下がることでトランジスタ密度の向上や配線の最適化も可能になります。

ただし、このPowerViaはスマートフォンのように元々消費電力が低く、高い動作クロックを維持する必要がない製品では、性能向上の恩恵が比較的小さくなります。その一方で、厚いシリコン基板がなくなることで垂直方向の熱拡散が悪化するほか、水平方向の熱拡散にも悪影響が及ぶなど、放熱に関する要件がより厳しくなるとのことです。

実際にこの技術を採用した場合、ホットスポットのダイ温度を同等に保つためにはヒートシンクの温度を約20°C低く維持する必要があるとされています。スマートフォンのようにファンレスかつ大型ヒートシンクを搭載できない筐体では、この条件を満たすことは事実上不可能とのことです。

一方、Intelのライバルであり、Apple iPhone向けチップの製造を担うTSMCは、Intel 18A-Pに相当する3nm以下の製造プロセスにおいてもPowerViaに似たBSPDを用意しています。ただし、TSMCでは顧客が用途に応じてBSPDの採否を選択できる体制を整えているのに対し、IntelはPowerViaなどBSPDに全面的に依存しており、柔軟性に欠ける状況とのことです。

MacBook向けのM7などでは採用の可能性も

こうした放熱問題を踏まえ、リーカーのJukan氏もIntelがAppleのiPhone向けチップを将来的に製造できる可能性は極めて低いと指摘しています。特にiPhoneのような薄型筐体では放熱性能を引き上げることが困難であり、PowerViaの採用に伴う放熱性能の悪化を許容する余地がないとのことです。

ただし、MacBook Airなど放熱性能に余裕がある製品では、採用の余地がまだ残されているとのことです。実際に、AppleがIntel 18A-Pでのチップ開発に必要なPDK(プロセスデザインキット)を評価している点からも、MacBook向けMシリーズチップでの採用をまずは本格的に検討している状況とのことです。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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