Intelもマルチフレーム生成技術をXeSSに投入? Intel Arc GPUのドライバーに

IntelがXeSS(Xe Super Sampling)向けに「MFG(Multi-Frame Generation:マルチフレーム生成)」技術を開発している可能性が、最新のArc GPUドライバーコードから発見された記述により浮上しました。現在この技術を実装しているのはNVIDIAのRTX 50シリーズ向けDLSS 4のみで、2倍から4倍のフレーム生成に対応していますが、Intelも同様の技術で追撃を図っている可能性があります。

Redditユーザーがドライバーコードから発見

今回の発見は、RedditのIntel Arcサブレディットに投稿されたユーザー「Organic-Bird-587」によるものです。Arc GPUドライバーのコード内に、XeSS MFGに関するコメントとArc Control Panel内での専用UIについての記述、さらにこの技術用と思われるアイコンが含まれていたとのことです。

ただし、これらの記述が実際の製品化を意味するかは不明で、Intelからの公式発表もありません。開発中の技術が最終的に製品に搭載されないケースもあり、過去にIntelはフレーム外挿(Frame Extrapolation)という独自手法を検討していたものの、最終的には業界標準のフレーム補間(Frame Interpolation)を採用した経緯があります。

各社のフレーム生成技術の現状

2025年1月現在、フレーム生成技術を巡る競争は激化しています。NVIDIAはRTX 50シリーズでDLSS 4を独占展開し、2倍、3倍、最大4倍のマルチフレーム生成を実現しています。この技術はNVIDIA製GPU専用で、他社ハードウェアでは利用できません。

一方で、AMDはFSR 4でAI技術を本格導入し、RDNA 4 GPUのAIコアを活用していますが、現時点でマルチフレーム生成には未対応です。ただし、FSR Redstoneと呼ばれる次期アップデートを開発中との情報もあります。

Intelは2024年にBattlemageとともにXeSS 2を発表し、フレーム生成機能と言う点ではNVIDIAやAMDに追いつきました。ただ、マルチフレーム生成には対応していませんが、仮に新たに対応することが出来ればXeSSの特徴である、Intel製GPU以外でも動作することから多くのユーザーが恩恵を受けられる機能となります。

IntelとNVIDIAの協業でもXeSS開発は継続

最近発表されたIntelとNVIDIAの提携により、Arc GPUの開発優先度が下がるのではという憶測も出ています。しかし、2025年中にBattlemage GPUの上位モデルであるArc B770の投入が予定されており、そのタイミングでXeSS MFGが正式発表される可能性があります。

仮にXeSS MFGが実現すれば、Intel製GPU以外でも利用可能になる可能性が高く、より多くのゲーマーが高フレームレートを体験できるようになるでしょう。これは自社ハードウェア専用のNVIDIA DLSSとは対照的で、現在サードパーティツール「Lossless Scaling」が提供している最大20倍フレーム生成のような機能が、公式技術として幅広いハードウェアで利用可能になることを意味します。

Intel Arc GPUドライバーから発見されたXeSS MFGの痕跡は、まだ確実な製品化を保証するものではありませんが、GPU市場における技術競争がさらに激化していることを示しています。特にIntelがオープンな技術として展開すれば、ハイエンドGPUを持たないユーザーにとっても恩恵は大きく、今後の正式発表が注目されます。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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