IntelがRaptor Lakeなど旧世代CPUを10%以上値上げ。AI PCの販売不振が原因

Intelが2022年と2023年に発売したRaptor Lakeシリーズは比較的高いゲーミング性能からArrow Lakeなど新世代CPUが登場した現在でも比較的人気が高い製品になっていますが、同CPUについてIntelは値上げを実施することが明らかになりました。

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Raptor Lakeシリーズが10%以上の値上げに

DigiTimesが業界関係者の情報として伝えたところによると、Intelは第13世代 Raptor Lakeシリーズならびに第14世代 Raptor Lake Refreshについて2025年第4四半期(10月~12月)を目途に値上げを実施する方針を固めたようです。値上げ幅は約$150~160 (約2.4万円)前後で販売されているCore i5-14400などのCPUは約$20(約3000円)の値上げが行われるほか、製品全体では平均して約10%以上の値上げの実施が検討されています。

なお、この値上げはデスクトップ向けのほかに、ノートPC向けも対象と見られていますが、最新鋭のArrow Lake-Sは対象外となっています。

値上げの理由はArrow Lake-Sや「AI PC」の失速

Raptor Lakeについては2025年4月24日に公表されたIntelの第1四半期決算にて想定を超える需要が記録されており、供給不足に陥っている状況が明らかにされていますが、今回の値上げはこの供給不足に加えて、最新鋭CPUの販売不振も大きく影響しているようです。

Raptor Lakeが供給不足に陥るほど人気を集める背景には、Meteor LakeやLunar Lake、Arrow Lakeと言った「AI対応PC」と言う付加価値を備えた最新CPUが非常に高価である割に「AI」の使いみちが個人、法人問わず明確な活用用途が見つかっておらず、ただ単に高いだけのCPUと言う評価になってしまっています。一方で、Raptor Lakeシリーズは旧世代のCPUのほか、AI対応と言う付加価値で値段が挙げられている最新鋭CPUに比べて非常に安価でありながらも、純粋なCPU性能の面では大きく劣っていないことから人気を集めているようです。

また、デスクトップ向けにおいては最新鋭CPUのArrow Lake-Sがゲーミングの面ではRaptor Lake Refreshにも劣ることが明らかになるなどRaptor Lakeシリーズが人気を集めてしまう状況になっています。

ただ、Raptor Lakeが人気を集め、最新鋭CPUが売れない状況についてIntelは新製品で期待していた収益が確保できない状況となってしまったことから、確実に需要のある製品での価格調整により短期的な収益改善を図ることを狙っているようです。

特にRaptor Lakeは年央から供給不足が続いており、需給バランスの観点からも値上げの余地があると判断されたと見られます。

既にデスクトップ向けRaptor Lakeは値上げの動きも

Intelの計画では値上げは2025年第4四半期、つまり早くても10月以降出荷分から適用されると見られていますが、Raptor Lakeシリーズが世界的に供給不足に陥り始めているためなのか、特にCore i9-14900Kでは夏以降、日本でも徐々に値上げされていることが判明しています。また、アッパーミドルレンジのCore i7-14700Kも徐々に平均販売価格が上がり始めているほか、エントリー向けとして人気のCore i5-14400も同様の動きを見せています。

この中で、Intelが値上げを正式に通達すれば旧世代のCPUとしては比較的大幅な値上げが行われることになりますので、もしRaptor Lake系で自作PCやBTOなどを組もうと考えている人は早めに購入を進めた方がいいと考えられます。

なお、このRaptor Lakeの値上げはノートPCなども対象になるため、比較的手ごろな価格帯で購入できるRaptor Lake搭載ノートPCを狙っている人も早めの購入が推奨されます。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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