Intelは自社のIntel 18Aプロセスで製造される次世代ノートPC向けCPUであるPanther Lake世代のCore Ultra 3シリーズを正式発表しましたが、同CPUに内蔵されるGPU性能が驚異的な性能を発揮することが明らかになりました。
Intel Panther Lakeが正式発表。目玉はXe3を12コア搭載したCore Ultra Xシリーズ
IntelのPanther Lakeは、2024年に発売された省電力重視のLunar Lakeと性能重視のArrow Lake-Hのラインアップを統合する新世代CPUです。製造プロセスはTSMCからIntel自社開発のIntel 18Aへと移行しており、Core Ultra 3シリーズとして順次、各社の新世代ノートPCに採用される予定です。

Panther Lakeは用途に応じて3つのダイ構成が用意されています。Lunar LakeとArrow Lake-Hの両方を置き換える製品のほか、ゲーミング性能向上のために内蔵GPUにXe3コアを12基搭載し大幅強化したIntel Arc B390を内蔵するCore Ultra Xシリーズも新たに投入されています。
Core Ultra Xシリーズの性能はAMDの内蔵GPUも超え、ノートPC向けRTX 4050並み
ノートPC向けCPU内蔵GPUについては、AMDのAPUが長らくグラフィックス性能でリードしてきました。2025年に発売されたRyzen AI 9 HX 370の内蔵GPU「Radeon 890M」も、ノートPC向けGeForce RTX 2060並みの性能を持つなど高い性能を記録しています。
しかし、今回発表されたCore Ultra 3シリーズの中で内蔵GPUを強化したCore Ultra X搭載の「Intel Arc B390」は、AMDを超える内蔵GPU性能を持つことが明らかになりました。

Intelが計測したゲーミングベンチマーク結果によると、最上位モデルでIntel Arc B390を内蔵するCore Ultra X9 388Hは、Ryzen AI 9 HX 370に対して44タイトルの平均で82%高い性能を記録しています。また、計測条件ではCore Ultra X9 388Hの設定TDPが45Wであるのに対し、Ryzen AI 9 HX 370は53Wでの動作となっています。高い性能を発揮しながらも消費電力が15%低く、電力効率の観点でも優れていることがわかります。
個別タイトルの結果を見ると、Core Ultra X9 388HではBattlefield 6が47fps、Cyberpunk 2077が55fps、Apex Legendsが141fps、VALORANTは336fpsを記録。1080p解像度ネイティブの高画質設定でありながら、かなり高いフレームレートを叩き出しています。

Intelによると、このCore Ultra X9 388Hの性能はノートPC向けディスクリートGPUであるGeForce RTX 4050に対しても平均で10%上回るとのことです。この計測は両者ともにフレーム生成機能を有効化しており、ドライバーやソフトウェアの最適化度合いが反映された結果です。ただし、RTX 4050が60Wの電力を消費するのに対し、Core Ultra X9 388Hは45Wと25%低い電力で動作していることを考慮すると、Panther Lake内蔵のXe3 GPUは驚異的な電力効率を実現していると言えます。
ノートPCの他にゲーミングハンドヘルドにもCore Ultra Xは展開予定。懸念はCPU価格と高速メモリが必要な点
Intel Panther Lakeの中で内蔵GPUが強化されたIntel Arc B390を搭載するモデルは、Core Ultra X7 358HとCore Ultra X9 388Hの2モデルに限定されています。これらのCPUは上位モデルであることから、ハイエンド志向のゲーミングノートPCなどに搭載されることが予想されますが、Intelによるとゲーミングハンドヘルドへの搭載も予定されているとのことです。
ただし、Core Ultra Xは高い内蔵GPU性能を発揮するため、対応メモリがLPDDR5X-9600のみに限定される設計となっています。昨今のメモリ価格高騰を踏まえると、同CPUを搭載する製品は軒並み高価格帯での販売が予想されます。高い性能を持ちながらも、販売面でどれだけ善戦できるかは未知数です。
CPU内蔵GPUは、ここ数年間AMDのAPUが性能面で優位に立っており、ゲーミングハンドヘルド市場でもAMD製APUがシェアを席巻してきました。しかし、今回発表されたCore Ultra Xは性能面でAMDからリードを奪える実力を備えており、今後AMDも巻き返しを図るべく性能向上に注力してくることが予想されるなど、競争激化による性能向上が今後数年間は期待できそうです。
ただし、このPanther Lakeは製品としては優れた点が多いものの、メモリ価格高騰の影響でノートPC本体の価格が大きく上昇することが見込まれます。そのため、販売面では苦戦する可能性もありますが、製品の完成度は高く、Intelが復調しつつあることを市場に示せる製品と言ええ、販売状況含め、今後の展開に期待です。



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