Intel Panther Lake内蔵GPU性能はAMDを上回る見込み。一方でIntel 18Aの歩留まりは悪め

Intelは2025年末から2026年にかけて現行のLunar LakeとArrow Lakeの後継となるCPU「Panther Lake」の市場投入を目指して開発を行っていますが、同CPUについてCPU性能は大きく伸びないもののGPU性能は近年性能面でリードしていたAMDを超える出来栄えと期待できる一方で、Intelにとって肝心な歩留まりについては低いなどのリーク情報が登場しました。

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2025年終わり登場のIntel Panther Lakeのリーク情報が登場

Intelが2025年終わりにノートPC向け限定で投入を目指すPanther Lakeは基本的に現行Arrow Lakeに搭載されているアーキテクチャーのマイナーチェンジにあたりP-CoreにはCougar Cove、E-CoreにはDark Mont、LPE-CoreにはDark Mont LPの3つのアーキテクチャーで構成されます。

この3つのアーキテクチャーの内、最上位モデルではP-Coreを4コア、E-Coreを8コア、LPE-Coreを4コアを搭載し、最大16コア16スレッドで構成されたCPUになります。

また、このPanther Lakeは、Intelの収益を向上させるべくCPUタイルがTSMC製造からIntel 18A製造に切り替えられる重要な製品となっています。

そんなPanther Lakeですが、リーカーのMoore's Law is Deadから現時点で判明しているCPUやGPU性能、開発状況と歩留まり、そしてOEMからの前評判などが明らかになっていますが、性能面では一長一短で、OEMからの期待値はあまり高くない様子が明らかになっています。

CPU性能はIntelの想定より低く。LPE-Coreで性能をカバー?

Intelは当初、Panther LakeをノートPC向けに加えデスクトップ向けでの投入も目論んでいたようですが、想定より低い性能が判明したことで2023年ごろにデスクトップ向けは開発中止となっていますが、その低めの性能は開発後半でも改善できなかったようです。

Intelは当初、Panther LakeのクロックあたりのCPU性能はArrow Lakeに搭載されているLion Coveに対して5〜13%高い性能を目標に開発されていたようですが、直近の開発状況ではこの目標値を下回る可能性が高くなっています。

特に性能面で重要となる動作クロックはIntel 18Aの歩留まりの問題からLunar Lake並になるとのことで、ノートPC向けArrow Lakeで見られる最大5.4 GHzを下回り、最大5.0~5.1 GHzで推移すると見られています。

ただ、Lunar LakeやArrow Lakeではアプリケーションで使えなかったLPE-Coreが使えるようになるため、マルチコア性能はArrow Lakeの最上位モデルを上回ることは確実であるほか、低い動作クロックでもIPCの改善が行われていることからArrow Lake並の性能でありながらも、Lunar Lake並に低い消費電力が期待できる可能性が残されているようです。ただ、この点は今後の最適化などにかかっているようです。

GPU性能はRyzen AI 300シリーズ超え。ただしドライバー開発が遅延中

Panther Lakeには内蔵GPUが第3世代のArc Celestialアーキテクチャーが搭載され、Execution Unitも最大12基搭載するなど大幅強化が行われています。これによりLunar Lakeに対して同じ消費電力でありながらも15~30%高いGPU性能が期待できるとのことで、Panther Lakeの電力上限である45Wまで引き上げれば内蔵GPUとして高い性能を持つAMDのRyzen AI 9 HX 370を超えるような性能も発揮できることが予想されています。

ただ、現時点でGPUドライバーの完成度が非常に低いため2025年終わり時点でこれらの性能を実現できるのかは不明とのことです。

Intel 18Aの歩留まりは微妙。OEMからの期待値も低め

Panther Lakeについては現行のArrow LakeやLunar Lakeに対して順当な後継モデルと言う立ち位置で性能は「そこそこ」向上しています。ただ、Panther LakeのCPUが製造されるIntel 18Aプロセスは過去に度々報道されている通り完成度が高いとは言えず、Panther Lakeで求められる動作クロックを実現しようとすると歩留まりは大きく低下するようです。

そのため、Intel内部でも同CPUの開発状況はスムーズとは言えず、開発初期の段階でAMDのZen 6には対抗できないことが幹部レベルの間で共有されておりすでにPanther Lakeの後継であるNova Lakeを重視する姿勢のようです。

Panther Lake採用を検討しているノートPCメーカーなどのOEMも期待値は低いようで、内蔵GPUはAMDに対抗できる水準であるものの、CPU性能は期待したほど高いとは言えないとのことで、AMDのZen 6が控えており、Zen 5の供給価格も下がる中で積極的に採用するメリットが見いだせない状況のようです。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 紆余曲折色々言われましたが、結局20A/18Aというのは背伸びだったのだと思います。
    実態としては、30A/28Aというのが一番適切なのでしょう。
    かつてのIntelならそう名乗ったでしょうし、そもそもこういう命名自体しなかったと思います。

    歩留まりに関する話も、もはや14nm以降の様式美と化しているようです。
    歩留まりは問題なし、という大本営発表をあざ笑うかのように、スピードイールドがいまいち。
    Arrow Lake/Lunar Lakeとどっこいどっこいとなれば、やはり30A/28Aの評価が適当でしょうね。

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