IntelがノートPC向け次世代CPU「Panther Lake-H」を2025年終盤に正式発表する予定ですが、このPanther Lake-Hから、2023年に変更した「Core Ultra」ブランドに「Core Ultra X」という新たなブランド名を追加することが明らかになりました。
Panther Lakeは「Core Ultra X」シリーズとして発売。今後すべての上位モデルに採用?
Intelは2023年に投入したMeteor Lake CPUから、従来まで用いられていたCore iブランドを廃止し、上位モデルは「Core Ultra」、下位モデルは「Core」というブランド体系への移行を発表しました。既にこれらのブランドを採用した製品が多く投入されています。しかし、2025年終盤に投入されるPanther Lakeでは、新たに「Core Ultra X」と呼ばれる新ブランドが追加されるようです。
Core Ultra X5/X7/X9の3つのグレード展開
Core i3/5/7/9
— HXL (@9550pro) October 1, 2025
Core Ultra 5/7/9
Core Ultra X5/7/9←New
リーカーのHXL氏によると、IntelはPanther Lake世代の製品名をリークしており、現行のCore Ultra 5/7/9に対して、新たにCore Ultra X5/X7/X9が追加されることを明らかにしています。これにより、ノートPC向け上位モデルでは「Core Ultra X9 388H」などの命名が見込まれています。
「Core Ultra X」は強力な内蔵グラフィクスをアピールする意図?
Panther LakeのCPU部分は現行Arrow Lakeのリフレッシュ版という位置づけで、IPC(命令あたりの実行効率)の向上も図られているものの、その改善幅は10%未満に留まる見込みです。また、Intel 18Aプロセスで製造される都合上、動作クロックも大きくは向上せず、トータルでの性能はArrow Lakeから大きく変わらない見通しです。そのため、CPU性能については、ブランド名を変更してまでアピールできるほどの進化ではないと考えられます。
一方、内蔵GPUについては大幅な改良が見込まれています。Panther LakeはIntel内製グラフィックカードとしては第3世代にあたる「Xe3 Celestial」アーキテクチャを採用し、性能の大幅向上が期待されています。さらに、Panther LakeにはこのXe3コアを最大12基搭載することで、高い内蔵GPU性能を持つAMDのRyzen AI 9 HX 370をも超える性能を実現するとも言われています。
そのため、Intelとしては高いグラフィックス性能を持つ製品に「Core Ultra X」と命名することで、製品の差別化とアピールを意図していると考えられます。ただし、この変更により、IntelにはCore、Core Ultra、Core Ultra Xという3つのブランドが混在することになるため、消費者の混乱を招く可能性も懸念されます。
なお、Core Ultra Xブランドが採用されるPanther Lake-Hの正式発表は、10月9日のIntel Tech Tourで行われることが既に明らかになっています。
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