IntelとNVIDIAの協業発表により、今後のIntel CPUにGeForce RTXが統合されることが明らかになりましたが、この協業によりIntelはGPU開発を止めることは無いことは明らかにしつつも、Intelの置かれている状況から開発継続は懐疑的にみる意見も出ていました。しかし、Intelが最近公開した求人情報から、同社がデスクトップ向けディスクリートGPUの開発を継続している可能性が浮上してきました。
ゲーミング向けハイエンドGPU開発の継続を示唆
リーカーのHaze氏が発見したIntelの求人情報によると、同社のSilicon Architecture, Power and Performance(SiA PTP)チームが、クライアントデスクトップ製品のゲーミング検証と最適化に特化したSoCパフォーマンスエンジニアを募集していることが明らかになりました。
What high-end Intel dGPU are they talking about? 🤓 pic.twitter.com/1tkfUs2pZV
— Haze (@Haze2K1) September 23, 2025
求人内容では、「最先端技術に取り組む機会があり、ハイエンドデスクトップSoCのゲーミングパフォーマンスの最適化と検証を担当する。特にdGFX(ディスクリートグラフィックス)のゲーミングパフォーマンスに焦点を当てる」と明記されています。
また、「Intelシリコンアーキテクチャー」とも記載されていることからNVIDIAとの協業で得られたGPUではなく、Intel自社開発のGPUにおいて、ディスクリートGPUの開発継続を強く示唆した内容になっています。
NVIDIAパートナーシップ下でも独自GPU開発を継続
2025年9月下旬に電撃発表されたIntelとNVIDIAのパートナーシップは、主にノートPC向けSoCにGeForce RTXのGPUチップレットを統合するというもので、Jensen Huang CEOもこのパートナーシップがラップトップ向けであることを明確にしています。また、IntelもこのパートナーシップによってGPUアーキテクチャのロードマップは変更されないと声明を出していましたが、今回の求人情報はこの声明を裏付ける形となっています。
ただ、Arc GPUについては2025年初めに第二世代品のArc B570を発売して以降、長らく新製品に関するアップデートは途絶えており、第3世代のCelestialや第4世代のDruid GPUなど過去に示されたロードマップの進捗が全くない状態になっていますが、求人を募集していることから開発は続けられているで間違いないと言えそうです。
収益性重視の中でのArc GPU開発は続けられるか?
デスクトップGPU市場でNVIDIAとAMDが支配的な地位を占める中、Intelの新CEOであるLip-Bu Tan氏は一定の収益を見いだせない製品はプロジェクトとして認めないなど収益性を重視する姿勢を鮮明にしていますが、市場でシェアを取れていないArc GPUについては収益性と将来性の観点でバランスを取る必要に迫られています。そんな中で、NVIDIAとのパートナーシップはその将来性について再考するきっかけになり得る変化ですが、今回の求人から現状はIntelの声明通り、自社開発のGPUを続ける見通しと言えます。
ただ、この自社開発GPUの開発継続はNVIDIA製より低い消費電力やコストなど今まで以上に厳しい条件を突きつけられるとも考えられるため、GPU事業の継続ができるのか、それともどこかのタイミングでNVIDIAに依存する体制とするのか今後の動向に注目が集まります。
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