CPUを巡っては一部地域で6か月程度の納期待ちが発生するなどIntel、AMD双方でCPU不足が囁かれていましたが、Intelの幹部が同社製CPUに関して供給逼迫が起きており、エンタープライズからコンシューマー含むすべてのパートナーに影響が出ていることを明らかにしました。
Intel幹部がCPUの供給不足を明言
IntelのCPU不足については、ロイター通信が中国市場における6か月以上の納期遅延を報じたほか、AMD CEOのLisa Su氏もエージェント型AI需要によりCPUの需要が供給を上回っていることを明らかにするなど、2026年に入ってから複数の情報源から深刻な状況が伝えられていました。
しかし、Intel自身がチャネルパートナー全体への影響を明確に認めたのは今回が初めてです。Intelのグローバルチャネル責任者であるDave Guzzi氏はCRNのインタビューに対し、CSP(クラウドサービスプロバイダー)、OEM、システムビルダーなどすべてのパートナーが必要な量の製品を受け取れていない状況であることを認めています。
CPU値上げの可能性を指摘もメモリほど過激なものにはならない見通し
Guzzi氏によると、CPU価格については値上げの可能性はあるものの、その幅はメモリ市場で見られるような急激な価格高騰とは比較にならない程度にとどまるとのことです。
これは2026年1月にKeyBancが報じた「サーバー向けCPUの最大15%値上げ」やロイターが報じた「中国向け10%以上の値上げ」とはやや温度差のある表現です。ただし、Guzzi氏はチャネル全体を統括する立場であり、サーバー向けの値上げ幅とチャネル向け全体の値上げ幅に差がある可能性は十分に考えられます。
一方で、IntelのCFOであるDave Zinsner氏は2026年1月の決算発表において、供給逼迫は第1四半期がピークとなり、以降は設備投資の拡大により四半期ごとに生産キャパシティーが改善される見通しを示しています。Guzzi氏もこの見通しに同調しており、「Q1は非常に厳しいと分かっていたが、通年では楽観的だ」と述べています。
一方でエントリー向け製品は後回しに。Chromebook市場は深刻な影響
Guzzi氏はCPUの値上げは限定的になるとの見方を示しています。一方で、Chromebookなどエントリー向け製品を作るメーカー各社はIntelからローエンド向け部品の供給制約に関する通知を受けており、Intel側はエンタープライズ向けやハイエンドなCPUを重点的に供給していることが示唆されています。実際に、システムインテグレーターのNCS TechnologiesによるとIntel製CPUを搭載するChromebookは納期が最大1年に達しているとのことです。
なお、ここで言われているエントリー向けCPUとしてはIntel N100などが挙げられますが、このIntel N100はIntel 7プロセスで製造されており、同プロセスのキャパシティーは既に逼迫していることが明らかになっています。
ただ、これ以外にもIntelがエントリー向けを後回しにする姿勢は最新鋭の製品でも見て取れます。CES 2026で正式発表されたPanther Lakeは既に搭載製品が登場している一方で、エントリー向けのWildcat Lakeは発売時期が2026年第2四半期としか公表されておらず、詳細な仕様も不明のままです。
IntelのCPU不足については2026年に入ってからロイター通信やKeyBancなどを通じて断片的に状況が伝えられてきましたが、今回Intelのチャネル責任者自らが「全パートナーに影響」と認めたことで、問題の広がりが公式に裏付けられた形です。
ただし、今回、Intel側がQ1がピークでQ2以降は改善という具体的なタイムラインを示したため、調査会社各社が示しているPCの値上がりについては2026年下半期以降はメモリ価格高騰のみが反映されることとなり、当初予測よりも改善される可能性があります。
ただ、それでもCPUの供給が不安定であることには変わりありません。最近では中東情勢の不安定化により半導体製造に必要なヘリウムの供給も問題視されており、状況は流動的です。ノートPCやPC製品の値下げには当面期待できないと言えます。そのため、もしPCの買い替えなどを検討している人は下値を追わず、予算が許すなら早めの購入が推奨されます。



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