Intelは現行Arrow Lake世代のCPUに性能向上策を施したArrow Lake RefreshをCore Ultra 200S Plusとして2026年1月に発表、発売する予定ですが、同CPUのスペックやコア数などの基本的な仕様に関するリーク情報が登場しました。
Arrow Lake Refresh世代のCore Ultra 200S Plusのスペック判明。動作クロック向上は限定的に
Intelが2024年秋に発売したArrow Lake世代のCore Ultra 200Sシリーズは、消費電力の大幅低減が実現されたものの、ゲーミング性能で高い評価が得られませんでした。AMDが同時期に発売したRyzen 9000シリーズに対して販売面で苦戦している状況です。

ただし、Intelではアーキテクチャなどを完全刷新したCPUは2026年末発売予定のNova Lake-Sまで登場しません。それまでの大幅なシェア低下を抑えるため、販売テコ入れが必須となっています。このような目的で登場するのがArrow Lake RefreshとなるCore Ultra 200S Plusで、同世代として登場する3モデルの仕様が判明しました。
合計3モデル登場。最上位モデルは100 MHz向上のみ。その他モデルはE-Coreを4コア増
Core Ultra 200S Plusシリーズは合計3モデルが投入される予定で、すべてのモデルがオーバークロック可能かつ内蔵グラフィックス搭載モデルとなっています。
| CPU | コア構成 | ベースクロック (P/E) | 最大ブースト (P/E) | キャッシュ (L3/L2) | 対応メモリ速度 | TDP (PL1/PL2) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Core Ultra 9 290K Plus | 24 (8P+16E) | 3.7 / 3.2 GHz | 5.6 / 4.8 GHz | 36 MB / 40 MB | DDR5-7200 | 125W / 250W |
| Core Ultra 9 285K | 24 (8P+16E) | 3.7 / 3.2 GHz | 5.5 / 4.6 GHz | 36 MB / 40 MB | DDR5-6400 | 125W / 250W |
| Core Ultra 7 270K Plus | 24 (8P+16E) | 3.7 / 3.2 GHz | 5.5 / 4.7 GHz | 36 MB / 40 MB | DDR5-7200 | 125W / 250W |
| Core Ultra 7 265K | 20 (8P+12E) | 3.9 / 3.3 GHz | 5.4 / 4.6 GHz | 30 MB / 36 MB | DDR5-6400 | 125W / 250W |
| Core Ultra 5 250K Plus | 18 (6P+12E) | 4.2 / 3.5 GHz | 5.3 / 4.7 GHz | 24 MB / 26 MB | DDR5-7200 | 125W / 159W |
| Core Ultra 5 245K | 14 (6P+8E) | 4.2 / 3.6 GHz | 5.2 / 4.6 GHz | 24 MB / 26 MB | DDR5-6400 | 125W / 159W |
最上位モデルとして登場するのがCore Ultra 9 290K Plusで、現行のCore Ultra 9 285Kに対してコア構成は8P+16Eのまま据え置かれています。動作クロックは、P-Coreが最大5.5 GHzから5.6 GHzへ100 MHz向上、E-Core側は最大4.6 GHzから4.8 GHzへ200 MHz向上します。
上位モデルはCore Ultra 7 270K Plusと呼ばれ、現行Core Ultra 7 265Kに対してコア構成が8P+12Eから8P+16Eに変更されています。これはCore Ultra 9シリーズと同じコア構成です。また、動作クロックもP-CoreとE-Coreがそれぞれ100 MHz向上しています。
ミドルレンジモデルのCore Ultra 5 250K Plusは、現行Core Ultra 5 245Kに対してE-Coreが4コア増えています。動作クロックもP-CoreとE-Coreがそれぞれ100 MHz向上します。
性能はCore Ultra 9 290K Plusでは動作クロック向上のみにとどまるため、性能向上の幅は小さいと考えられています。一方で、Core Ultra 7 270K PlusやCore Ultra 5 250K PlusではE-Coreのコア数が増えているため、特にCPUを酷使する動画エンコードやレンダリングなどで大幅な性能向上が期待されています。

課題だったゲーミング性能は、100 MHzの動作クロック向上やE-Core数増だけでは大きく向上するとは考えられません。ただし、CPU側の動作クロック以外にも、Ring Bus(コア間を接続するバス)やD2D(ダイ間接続技術)などコアとメモリ間をつなぐ機能の動作クロック向上も実施されると言われています。実際にリークされたスペックでもDDR5-6400からDDR5-7200へ向上しているため、ゲーミング性能などは一定の向上が期待できそうです。
Arrow Lake Refresh世代となるCore Ultra 200S Plusは、変更点が過去に登場したRaptor Lake Refreshなどに比べてかなり少なく、マイナーチェンジに近い仕様になっています。そのため、今回明らかになった動作クロックの小幅な向上やE-Coreの追加だけでは、課題だったゲーミング性能向上は難しいと考えられます。
今回明らかになっていませんが、過去にリークされていたRing BusやD2Dなどのuncore部分(コア以外のCPU内部機能)にどのようなテコ入れが行われているかが、ゲーミング性能にも大きく影響するため注目です。



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