Intelが低価格ノートPCやミニPC向けに投入するWildcat Lake(Core Series 3)のベンチマーク結果が初めて公開されました。超低価格セグメント向けの6コアCPUながら、Core i3-13100などデスクトップ向けCPUを超える性能を持つことが明らかになっています。
Wildcat Lakeのベンチマークが登場。
Wildcat LakeはIntelがCES 2026で発表したCore Ultra 300(Panther Lake)シリーズの下位に位置するCPUで、Alder Lake-NやTwin Lakeの後継となる低価格・低消費電力向けCPUとして投入されます。
| 項目 | Wildcat Lake (Core Series 3) | Alder Lake-N (Intel N Series) | Panther Lake (Core Ultra 300) |
|---|---|---|---|
| CPUコア | 最大6コア 2P+ 4LPE | 最大8コア 0P+8E | 最大16コア4P+8E+4LPE |
| GPUコア | 2 Xe3 | Intel UHD(32 EU) | 4〜12 Xe3 |
| NPU | 18 TOPS(NPU 5) | なし | 最大50 TOPS |
| メモリ | LPDDR5X-6800 / DDR5 (シングルチャネル) | LPDDR5-4800 / DDR4 (シングルチャネル) | LPDDR5X-8533〜9600 / DDR5 (デュアルチャネル) |
| PCIe | PCIe 4.0 ×6 | PCIe 3.0(一部4.0) | PCIe 5.0対応 |
| TDP | 12〜25W | 6〜15W | 25〜80W |
| 製造プロセス | Intel 18A | Intel 7(10nm ESF) | Intel 18A |
| ブランド | Core | Intel Processor(N100等) | Core Ultra |
| Copilot+ | 非対応 | 非対応 | 対応 |
CPUのアーキテクチャーはPanther Lakeと同じくP-Core側にはCougar Cove、E-Core(LPE-Core)にはDarkmontを採用していますが、コア数はPanther Lakeが4P+8E+4LPEの最大16コアに対して、Wildcat Lakeは2P+4LPEの合計6コアに抑えられています。ただ、先代のAlder Lake-Nに対してはP-Coreが増えているなどスペックが向上しています。
また、対応メモリもLPDDR5xやDDR5に対応するものの、先代のAlder Lake-Nと同じくシングルチャネルのみ対応となっています。
Core 5 320としてラインアップ。性能はAlder Lake-N (Intel N100)の2倍以上に

Geekbenchに登録されたWildcat LakeはCore 5 320というモデル名で登録されており、2P+4LPE構成でベースクロックは1.5 GHzとかなり低めに設定されています。ただし、ブーストクロックは最大4.6 GHzと比較的高めに設定されています。
そんなCore 5 320のGeekbench 6のスコアはシングルコアが2600ポイント、マルチコアが7913ポイントを記録しています。
| CPU | 種別 | シングルコア |
|---|---|---|
| Core 5 320(Wildcat Lake) | モバイル | 2,600 |
| Ryzen 7 8700G | デスクトップAPU | 2,647 |
| Core i5-14600 | デスクトップ | 2,630 |
| Core Ultra 9 285H | モバイル | 2,604 |
| Core i9-12900K | デスクトップ | 2,594 |
| Core i9-12900KF | デスクトップ | 2,586 |
| Intel N305 | モバイル | 1,142 |
| Intel N100 | モバイル | 1,220 |
Core 5 320のシングルコア性能は、デスクトップ向けCore i5-14600(14コア)やCore i9-12900K(16コア)とほぼ同水準です。P-Coreがわずか2基でもこの水準に達しているのは、最新のCougar Coveアーキテクチャーと最大4.6 GHzのブーストクロックが効いているためと見られます。
| CPU | 種別 | コア数 | マルチコア |
|---|---|---|---|
| Core 5 320(Wildcat Lake) | モバイル | 6コア(2P+4LPE) | 7,913 |
| Core i3-13100 | デスクトップ | 4コア(4P) | 7,800 |
| Core i7-9700KF | デスクトップ | 8コア(8P) | 7,750 |
| Ryzen 5 8640U | モバイル | 6コア(8P) | 7,996 |
| Ryzen 5 7540U | モバイル | 6コア(8P) | 7,983 |
| Intel N305 | モバイル | 8コア(8E) | 4,192 |
| Intel N100 | モバイル | 4コア(4E) | 3,129 |
一方、マルチコアスコアは約7,900台で、デスクトップ向けCore i3-13100(4コア8スレッド)やCore i7-9700KF(8コア8スレッド)と同等の水準にとどまっています。P-Coreが2基、残り4基は省電力特化のDarkmont LPE-Coreという構成と考えればかなり高い水準になっています。
なお、先代のAlder Lake-N(8コアのIntel N305)に対しては、シングルコア・マルチコアともに約2倍のスコアを記録しています。Intelのリリースする最廉価CPUとしては、性能が大きく向上することになります。
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Wildcat Lakeは低コストを念頭に入れた設計になっており、Panther LakeではCPUとGPU、I/O関係がそれぞれのタイルに分かれていましたが、Wildcat LakeではCPUとGPUを1つのタイルに統合し、合計2つのタイルに削減しています。また、コストに直結するダイサイズも非常に小さくなっていることから、比較的安価に供給されると見られています。
特にノートPCでは、Intel N100を大きく超える性能を実現しながら消費電力も低下しているため、エントリー向けやミドルレンジ向けで搭載機種が多かったRaptor Lake-Uを置き換えることが予想されます。ミニPCにおいても、エントリー向けとしてIntel N100を搭載していた製品がWildcat Lakeに切り替わることが期待されており、エントリー製品全体の性能が抜本的に向上すると考えられます。
Wildcat LakeはAlder Lake-Nの実質的な後継モデルといわれています。一方で、CPUアーキテクチャーはPanther Lakeと共通のCougar Cove / Darkmontを採用しており、Alder Lake-Nから3世代分進化しています。そのため、廉価版でありながらも性能は大きく向上しています。
ただ、価格についてはコストダウンが図られているものの、Intel 18Aという最新鋭プロセスを使っていることもあり、Alder Lake-Nほど安価に仕上げることは難しいといえそうです。
それでも、エントリークラスとして最近採用が増えているRaptor Lake-Uを上回る性能を持つと見られます。エントリーからメインストリーム向けノートPCでの採用拡大が期待されます。



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