ここ最近、データセンターの建設ラッシュを背景にDDR5などのDRAM系メモリーの供給不足が顕在化し、それに伴いスポット価格や供給価格の大幅な値上がりが記録されています。そんなDRAMの値上がりですが、2026年初頭にもグラフィックカード市場に値上がりという実害を与え始める可能性が高まっています。
2026年初頭からGeForce RTX 5000シリーズやRadeon RX 9000シリーズが値上げ?
2025年現在、NVIDIAのGeForce RTX 5000シリーズやAMDのRadeon RX 9000シリーズは、一部モデルで発売から既に10カ月程度が経過しています。販売価格は発売当初より20%以上下がるなど、価格が安定してきました。
しかし、ここ最近話題になっているDRAM不足の影響が、グラフィックカードの主要コンポーネントであるGDDR6/7の調達価格に影響を及ぼし始めているようです。2026年初頭から多くのグラフィックカードの価格が大きく引き上げられる可能性が、AIB関係のリークが多く出回る中国の博板堂によって明らかになりました。
DRAM価格が約2倍。GDDR6/GDDR7などVRAM調達コストに影響へ
現在、主要なDRAMメーカー3社の製品価格は上昇開始から約90%の値上がりを記録しており、ほぼ2倍の価格水準に到達しています。この価格高騰は、グラフィックカードに搭載されるVRAMチップの調達コストにも波及することが確実視されており、NVIDIA、AMD双方の調達価格に影響を及ぼすと見られています。
NVIDIA、AMD、そしてグラフィックカードを製造するAICパートナー各社によると、現時点ではVRAM価格上昇に関する正式な通知は発表されていないものの、双方の関係者がGDDR6やGDDR7などVRAM用チップの調達コストが将来的に引き上げられることは確実との認識を示しているとのことです。ただし、具体的な価格改定の実施時期についてはまだ明らかにされていません。
価格改定は2026年1月実施の可能性
業界関係者の予測では、NVIDIAおよびAMDによる価格改定の実施時期は、2026年第1四半期の最初の月である1月に実施される可能性が高いと見られています。ただし、状況次第では12月に前倒しされる可能性もあるとのことです。
なお、価格改定についてはNVIDIAやAMDから消費者向けに正式発表はなく、AIBや代理店を通じて行われ、それらが卸売価格に反映され、最終的に販売価格に反映されることが多いです。そのため、実際の販売価格の値上げは唐突かつ急激に行われる可能性があります。
DRAMについてはNVIDIAやAMDなどは大口契約を結んでいるため、スポット価格のように価格が即上がるということはありません。また、AIBにはNVIDIAやAMDからGPUと共にVRAMもキットとして供給される体制になっているため、両社のVRAM在庫が残っている限りはキットの供給価格が上がることはないと考えられます。
しかし、DRAMメーカー側が需要増と供給不足を背景に、価格交渉を四半期単位から月次に切り替えているという情報もあります。そのため、残っているVRAM在庫が切れ、新たに調達する際には調達価格が引き上げられ、それらが販売価格に反映されることになります。
このような状況を踏まえると、実際にGeForce RTX 5000シリーズやRadeon RX 9000シリーズの販売価格が値上げされる可能性は、今回の情報のとおり高いといえます。
ただし、時期については2026年1月は少々早いとも考えられます。各社がどれだけVRAM在庫を持っているのか、また契約期間も不明であるため、グラフィックカードの購入を考えている人は価格動向に注視するとともに、既にRTX 5090以外の製品は安値域で販売されているため、無理に下値を追いかけないほうがよいでしょう。



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