ドイツの有力PC専門メディアであるPC Games Hardware(PCGH)が、創立25周年を記念して180枚のグラフィックスカードを対象とした史上最大規模の性能比較テストを実施し、その結果を公開し、過去19年でグラフィックカードは驚くほど進化していることが明らかになりました。
2009年から2025年に発売されたグラフィックカードの性能を一気に検証
グラフィックカードは現在では最高性能を持つコンシューマー向け製品としてGeForce RTX 5090が存在し、生成AIでの利用や4K解像度でゲームをプレイするなど昔では考えられないほどの描写性能を獲得しています。そんなグラフィックカードについて、創立から25周年となるドイツのPC専門メディアのPC Games Hardware(PCGH)が2009年から2025年までの間に発売された180枚にも及ぶグラフィックカードの性能を検証した結果を明らかにしました。
NVIDIAはAmpere世代、AMDはRDNA 3世代でスペックが大きく引き上げられている
PCGHのテストではGFLOPSなど理論値ベースと実際のゲーミング性能を基に比較されています。
理論値やスペックベースの比較ではNVIDIAは2010年に発売されたFermiアーキテクチャーを搭載するGeForce GTX 580、AMD製 (当時はATI)は2009年に発売されたCypressアーキテクチャーを搭載するRadeon HD 5870を起点に性能の推移をまとめています。


FP32性能ではNVIDIAのGTX 580が1.58GFLOPSに対して、アーキテクチャーが刷新される毎に大幅な性能向上が行われていますが、特に大きく向上したのがAmpereアーキテクチャーで、一気に2.5倍近い性能向上が行われています。また、帯域幅もAmpereで1.5倍に増え、初めて1TB/sに迫るなどアーキテクチャーとして大幅なブレークスルーだったことが分かります。一方で、そのあとのAda LovelaceやBlackwellでは絶対的な数字は大きくなっているものの、先代モデルからの向上率で言うと鈍化が見られています。
AMD製でも同様で、アーキテクチャーが刷新で性能向上が見られていますが、RDNA 3世代では特に大きな進化が確認でき、先代に対してFP32性能は2.8倍、帯域幅も1.6倍と大幅な性能向上が記録されています。一方で、RDNA 4ではミドルレンジメインで開発が行われたためRDNA 3に対して性能が落ちる結果になっています。
ゲーミング性能は世界発のDirectX 11対応GPU「Radeon HD 5870」からRTX 5090は2713%優れる性能に


ゲーミング性能においては合計3つのタイトルで合計180枚のグラフィックカードの性能が検証が行われています。この中で2013年に発売されたTomb RaiderにおいてはDirectX 11に世界で初めて対応したRadeon HD 5870をベースに、どれだけ性能が違うかが明らかにされています。
この結果は、直近発売されたグラフィックカードとしてAMD製のRadeon RX 9070 XTは1299%、2025年時点で最高性能を持つGeForce RTX 5090は2713%と2009年から飛躍的な進化を遂げていることが確認できます。
PCGHは今回の特集記事を通常は有料会員限定コンテンツとして提供していますが、25周年記念として全読者に無料で公開しています。詳細なベンチマーク結果やGPU世代ごとの進化については、同社のウェブサイトで確認することができます。
なお、記事では2009年から2025年までのAMDとNVIDIAそれぞれのGPU開発の歴史についても詳しく解説されており、各世代の技術革新やアーキテクチャの変遷が時系列で整理されているため、GPUの進化を振り返る貴重な資料となっています。
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