Googleは2025年に発売したPixel 10シリーズから完全自社開発のTensor G5を搭載したものの、通信用モデムは依然としてサムスン製を使用していました。しかし、2026年以降に発売されるPixel 11以降では省電力性を重視し、MediaTek製モデムを新たに採用する可能性が浮上してきています。
Google Pixel 11ではサムスンと完全決別。MediaTek製モデムを搭載へ
GoogleはPixel 10で採用されているTensor G5チップの製造を、Samsung FoundryからTSMCへ移管しました。しかし、通信を担うモデム部分については引き続きSamsung製Exynos技術を使用していました。
この理由としては、主に今までの実績と信頼性を基に採用を続けたと見られています。しかし、バッテリー持続時間の観点では大きな向上は見られませんでした。
そのため、Googleは新たにMediaTekの最新鋭モデムをPixel 11に搭載する方針であることを、リーカーのMystic Leaksが明らかにしています。
Tensor G6でMediaTek M90モデムを採用

Mystic LeaksがTelegramに投稿した内容によると、Pixel 11(コードネーム:Malibu)の開発はすでに開始されているとのことです。
その中で重要な変更点として、Tensor G6の採用とともに、内蔵モデムをサムスン製からMediaTek M90モデムへ変更することが明らかにされています。
実際に、Pixel 11のものと見られるブートローダーの画面では「a900a-CS」という見慣れないモデムバージョンが記載されており、サムスン製モデムで見られるg5400iなどとは大きく異なっています。
変更はバッテリー持続時間の大幅改善が狙い?
MediaTek M90モデムはMWC 2025で発表された最新鋭モデムで、通信速度は最大12Gbpsの下り速度に対応します。また、AIモデルを活用した電力効率の最適化により、平均消費電力を競合製品と比べて最大18%削減できることが明らかにされています。
GoogleのPixel 10シリーズは、TSMC 3nmで製造されるTensor G5を採用することで大幅なバッテリー持続時間向上などが期待されていました。しかし、期待されたほどのバッテリー持続時間の向上が得られなかったとの評価もあります。
そのため、このMediaTek M90モデムを活用して通信速度などの性能を引き上げつつも、省電力化に伴うバッテリー持続時間の向上を狙っていると見られます。
ただ、MediaTek製モデムへの変更は現行のPixel 10シリーズでも噂として出ていたため、技術的な問題などで再びサムスン製が採用される可能性も残されています。2026年夏頃発売のPixel 11でモデムの刷新が行われるのか、注目が集まります。
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