DRAM価格高騰によりGeForce RTX 5090は78万円に値上がりする可能性

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NVIDIAは2026年2月から、GeForce RTX 5000シリーズなどについて高騰するDRAM価格をコストに反映するため値上げするといわれています。この値上げにより、GeForce RTX 5090などハイエンド製品はこれまでにない価格帯に達する可能性があるようです。

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DRAM価格高騰でGeForce RTX 5000シリーズは値上がりへ

グラフィックカードではDRAM価格高騰を理由に、すでにAMDのRadeon RX 9000シリーズなどはAIB(グラフィックカードメーカー)に対して値上げを通知しています。その値上げ幅は16GBのGDDR6を搭載する製品で約1.4万円が計画されています。

一方、NVIDIAは新しい会計年度が始まる2026年2月からAIBに対して値上げを通知するといわれています。NVIDIAの製品はGDDR7などより高価なメモリを搭載していることから、値上げ幅はAMDをはるかに超える可能性が出てきているようです。

GeForce RTX 5090は最大で78万円に?!

韓国のNewsisが入手した業界関係者からの情報によると、NVIDIAはDRAM価格高騰によるコスト影響により各製品の値上げを予定しているとのことです。最上位モデルであるGeForce RTX 5090は、値上げにより約5,000ドル(日本円で約78万円)にまで上昇する可能性が指摘されています。

RTX 5090は発売当初、1,999ドル(日本では383,800円)がメーカー希望小売価格として設定されていました。しかし、減産や需要高騰などの影響からか、最近は極度の品薄に見舞われています。販売されていてもその価格は60万円に達するなどの状態です。そのため、実際に78万円に値上げされても、現状の価格から見るとそこまで現実離れした価格ではないともいえそうです。

グラフィックカードの製造原価を占めるメモリの比率は80%超えに

この大幅な値上げの背景として、DRAM価格高騰により直近のグラフィックカード製造原価に占めるメモリの比率は80%を超えているとのことです。そのため、RTX 5090などGDDR7モジュールを大量に搭載する製品ほど大幅な値上げが予想されています。

GDDR7モジュール数VRAMバス幅/容量製品
16枚512-bit / 32GBRTX 5090
8枚256-bit / 16GB
128-bit / 16GB
RTX 5080 / RTX 5070 Ti
RTX 5060 Ti 16GB
6枚192-bit / 12GBRTX 5070
4枚128-bit / 8GBRTX 5060 Ti 8GB
RTX 5060
RTX 5050

特にRTX 5090は16枚のGDDR7モジュールを搭載していることや、その性能の高さからAI向け需要も見込めるため、約40万円から78万円という極端な値上げが想定されています。

一方、コンシューマー向けで人気のRTX 5080やRTX 5060 Ti 16GBなども搭載するメモリモジュール数が多い製品です。2026年2月の値上げでRTX 5080は大幅な値上げが見込まれるほか、価格に対してメモリ容量が多く設定されているRTX 5070 TiやRTX 5060 Ti 16GBに関しては減産も噂されています。NVIDIAでは値上げや注力製品の変更が予想されるため、一部製品は入手すら難しくなる可能性があります。

AI向けGPUの価格も大幅値上がり。コンシューマー向けを流用するケースも?

AI向けGPUではコンシューマー向けと同じくGDDR7を使う製品もありますが、より高性能でHBM(広帯域メモリ)を採用するHopper H200も大幅な値上げに直面しています。2025年中頃までは500万円前後でしたが、今後20%程度の値上げが予定されており、600万円以上で供給される見通しです。

そのためか、コンシューマー向けで入手が比較的容易なRTX 5080などに32GBのGDDR7を搭載する改造が出始めています。また、RTX 5090からRTX 5060 Ti 16GBまで幅広い製品にブロワータイプのクーラーを備えた製品がTaobaoなどに出品されているとのことです。

AI向けGPUの価格高騰に伴い、小規模なAI開発者などは再びコンシューマー向け製品をAI用途に転用する動きが見られています。この動向がGeForce RTX 5000シリーズの価格高騰に拍車をかける可能性が懸念されています。

コメント・考察

GeForce RTX 5000シリーズはAMDのRadeon RX 9000シリーズに搭載されているGDDR6より高性能だが高価なGDDR7を採用しているため、値上げ幅が大きくなることは予想されていました。ただ、RTX 5090で70万円を超える可能性は価格が誇張されすぎているようにも感じられます。

一方で、16枚ものGDDR7を使っていることや、価格が高くても需要があること、すでに60万円に迫る価格で販売されていることを踏まえると、一時的にこのような価格で販売される可能性は低くないともいえます。

RTX 5080やRTX 5070など一般コンシューマー向け製品も、現時点の価格に対して2〜3万円前後の値上げは覚悟しておいた方がよさそうです。

また、AI向けにコンシューマー向け製品を転用する動きがある一方で、DDR5価格高騰でBTOや自作PC市場が大きく落ち込んでいるなど、価格や需給状況を左右する要素が多くなっています。2026年のグラフィックカードを含むPCパーツ市況は、混沌とした状況になることが予想されます。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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