NVIDIAが2026年に投入すると予想されていたGeForce RTX 5000のリフレッシュモデル「GeForce RTX 5000 SUPER」シリーズですが、市場環境の悪化を背景に投入の無期限延期がAIBなどに通達されたようです。
GeForce RTX 5000 SUPERシリーズの投入は無期限延期
NVIDIAのGeForce RTX 5000 SUPERシリーズは、現行のRTX 5080、RTX 5070 Ti、RTX 5070の3モデルに対して、VRAM容量の拡大や動作クロック向上などを施したリフレッシュモデルです。すでにスペックに関するリーク情報が2025年7月に明らかになるなど開発の大部分は完了しており、早ければ2025年末にも発売されるのではないかと見られていました。
しかし、2025年夏頃には現行RTX 5000シリーズの販売が好調であることから2026年初頭発売が噂されるようになりました。さらに最近ではメモリ不足と価格高騰などが原因なのか、期待されていたCES 2026での発表は見送られ、2026年後半に発売されるという噂も出ていました。ここに来て市場環境がさらに悪化していることを背景に、発売自体を無期限延期とする可能性が高まっているようです。
無期限延期の理由はAI GPUの生産優先やメモリ高騰、ライバル不在

博板堂に書き込まれた情報によると、NVIDIAはすでにAIBに対してGeForce RTX 5000 SUPERシリーズの発売延期を通達したようです。これにより、RTX 6000シリーズが発売される2027年後半まで現行のRTX 5000シリーズが販売される見通しとなります。
なお、この発売の無期限延期の理由については、AI GPUの需要急増、メモリ価格高騰による需要低下、ライバル不在などが推察されています。
AI GPU需要急騰によりRTX 5000シリーズの優先順位が低下
AI GPUの需要についてはデータセンターの建設ラッシュを背景に高まっていますが、RTX 5000シリーズに使われているGB200系GPUダイはエンタープライズ向けのRTX PROシリーズと共通になっています。また、これらGPUの製造に使われるTSMC N4Pプロセスは、データセンター向けのBlackwell B200とも同じ製造プロセスを採用しています。
そのため、AI需要が高まれば収益性が高いAI向けの生産が増え、相対的にRTX 5000シリーズを余分に供給することは難しくなります。
メモリ品薄と価格高騰によるコスト高騰とPCパーツ需要低下
2025年後半から問題となっているメモリ品薄と価格高騰も、RTX 5000 SUPERシリーズ投入を延期させる理由となっています。特にRTX 5000 SUPERシリーズは、従来まで2GBモジュールのGDDR7を採用していた製品をすべて3GBモジュールに変更するため、メモリ価格高騰によりコストの大幅上昇が見込まれます。市場が受け入れられないほどの高価格での発売が予想されています。
また、このメモリ価格高騰は自作PCやBTOなどPC需要低下にもつながっており、新たにRTX 5000 SUPERシリーズを投入しても十分な販売台数が期待できない状態になっています。
AMDなど競合不在
GeForce RTX 5000 SUPERシリーズは当初、VRAM容量が大きいRadeon RX 9000シリーズに対するリードを確かなものにするために投入が意図されていました。しかし、Radeon RX 9000シリーズはAMD史上では売れているものの、シェアの面ではNVIDIAの脅威になるレベルには達していないともいわれています。
また、RDNA 5が2027年中旬に投入されることが予想されているため、NVIDIAとしてはRTX 5000 SUPERシリーズを投入する意義がほとんどない状態のようです。
GeForce RTX 5000シリーズが1年以上現役に。ただし価格高騰かつ品薄で入手が困難
GeForce RTX 5000 SUPERシリーズの投入が無期限延期となったことで、現在販売されているRTX 5000シリーズが2027年後半登場予定のRTX 6000シリーズまで現役となります。しかし、RTX 5000シリーズはメモリ不足や価格高騰によりRTX 5090からRTX 5060 Tiまで価格が高騰しているほか、極度な品薄状態に陥っています。
また、2026年2月以降にはNVIDIAがAIBに対して本格的な値上げを通知するともいわれています。仮に在庫状況が改善されたとしても、次は価格高騰により購入が難しくなることも予想されます。すでに品薄であることを踏まえると、消費者は残念ながら状況をただ見守ることしかできない状況になっています。
GeForce RTX 5000 SUPERシリーズでは、GDDR7の容量がRTX 5080 SUPERとRTX 5070 Ti SUPERは24GB化、RTX 5070も18GB化されるなど、VRAM容量が少ないことが指摘されていたハイエンドモデルの弱点修正が期待されていました。しかし、メモリ価格高騰により発売自体が見送られる方針となったのは残念としかいえません。
ただ、仮に発売されても高すぎる価格設定にせざるを得ないといえ、期待できる販売台数を考えると発売延期は仕方がないといえそうです。



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