グラフィックカードに搭載されているGDDR6やGDDR7などのメモリは、大幅な価格高騰に直面しています。このため、すでにAMDはAIB(Add-in Boardパートナー)に向けて値上げを通知しています。一方でNVIDIAは方針を明確にしていませんでしたが、どうやら値上げは確実視されており、2026年2月以降に価格改定が行われるようです。
NVIDIA GeForce RTX 5000シリーズも値上げが確実に。2026年2月以降に価格改定
グラフィックカードにはDRAMの一種であるGDDR6やGDDR7が搭載されており、これらは製品全体のコストの中ではGPUに次ぐ主要部品です。昨今のDRAM価格高騰により、製造コストが大きく上昇しています。そのため、すでにAMDは16GBのGDDR6を搭載する製品で1.4万円、8GBのGDDR6を搭載する製品で7,000円の値上げをAIBに通知していました。
一方、NVIDIAに関しては市場価格の値上がりが見られるものの、AIBへ正式な値上げ通知を行ったという話題は出ておらず、静観していると見られていました。しかし、そんなNVIDIAもまもなく値上げが実施される可能性が高まっており、その時期は2026年2月になるという噂が出ています。
2026年会計年度の始まりとなる2月に値上げをAIBに通知予定

博板堂に書き込まれた情報によると、NVIDIAはAIBに対して「2025年会計年度中はGDDR7の調達価格が固定されているため、値上げは実施しない」と伝えているようです。ただし、2026年会計年度が始まる2026年2月からはGDDR7の調達価格が大幅に引き上げられることから、AIBに対する値上げは確実とのことです。
現時点で値上げ幅については明らかにされていません。しかし、GDDR6を採用するAMDで16GB版が1.4万円の値上がりであったことから、より高価なGDDR7を採用するNVIDIA製グラフィックカードはAMD以上の値上がりになると予想されています。
現在見られている値上げはAIB独自の価格変更
グラフィックカードはすでに値上がりが見られています。RTX 5090などは品薄の影響もあり55万円前後で販売されているほか、RTX 5080やRTX 5070 Ti、RTX 5060 Ti 16GBなども大幅な値上がりとなっています。ただし、この値上げはNVIDIAによるものではなく、AIB側が行っている卸売価格の変更などによるものとのことです。
なお、このAIBによる値上げがNVIDIAの正式な値上げ通知を見越したものなのか、単なる便乗値上げなのかは不明です。いずれにせよ、NVIDIAが正式な値上げを実施すれば、さらに大きく値上がりする可能性が高いと言えます。また、供給面でもRTX 5090が極端な品薄状態に直面しているほか、RTX 5000シリーズの出荷量も2026年から大幅に減らされるという噂もあります。少なくとも2026年から2027年の間は、グラフィックカードを購入するにはかなり厳しい時期となりそうです。
NVIDIAのグラフィックスカードはすでに大幅な値上がりが見られており、その価格は発売時の価格をも上回る状態になっています。しかし、これはAIB独自の価格変更とのことですので、NVIDIAによる正式な値上げが行われれば、さらなる値上がりが懸念されます。
なお、先行して値上がりが行われている理由は不明ですが、うがった見方をすれば便乗値上げとも捉えられます。ただ、2026年以降はDRAM価格高騰による自作PC市場やBTO市場の冷え込みが予想されています。それに伴い、AIBの収益の柱であるグラフィックカードも売れにくくなるため、少しでも利益を確保しておきたいという意図もあるのかもしれません。



コメント