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FSR 4がRadeon RX 7000やGeForceでも動作? Windowsでも動く非公式MODが登場

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流出したFSR 4のソースコードを基にRDNA 4以外で動くFSR 4が登場

AMDのアップスケーリング技術である「FSR 4」は本来はRDNA 4アーキテクチャーを搭載するRadeon RX 9000シリーズ専用機能として発表されましたが、数日前にAMDが誤ってFSR 4のソースコードをGithub上でオープンソースで公開してしまったことから、同機能をRDNA 4以外のGPUでも動作するように改造する動きが活発化しています。そんなFSR 4ですが、実際に非対応のRDNA 3やNVIDIAのGeForceシリーズでも動作するものが登場しました。

FSR 4がまだ公開していなかった「INT 8版」のソースコードがカギ

AMDのFSR 4はRDNA 4アーキテクチャー専用として発表されている理由としてはFP8と呼ばれるデータ形式で学習とアップスケーリングを実行しています。ただ、このFP8自体はRDNA 4以降のGPUにしか搭載されていないことから、先代のRDNA 3世代のRadeon RX 7000シリーズやStrix HaloなどAPU搭載のRadeon RX 8000Sシリーズでは利用できません。しかし、AMDはRDNA 3世代にも搭載されているINT8データ形式でアップスケーリングする機能も開発していたようで、流出したソースコードはこれらも含まれていました。

そうした背景を受けて、Redditの有志がINT8版のFSR 4をコンパイルし、誰でも利用可能なDLLファイルを作成、そしてユーザーは「OptiScaler」などのツールを介して、ゲーム内のFSR 3.1をこのカスタムDLLに置き換えることで、FSR 4を有効化できるようです。

画質は劇的に向上。パフォーマンスは若干低下

このINT8版FSR 4はCyberopunk 2077などで動作するようで、実際にFSR 4をRadeon RX 7800 XTで使ったユーザーによるとFSR 3.1で課題とされていたオブジェクトの輪郭がちらつく「シマリング」が大幅に改善され、その画質はIntelのXeSSを上回り、NVIDIAのDLSS 4に迫るレベルとのことです。静止画では動きがないためわかりにくいですが、特に草のちらつきはFSR 4で完全に抑制されているようです。

ただし、画質の向上と引き換えにパフォーマンスは落ちるようで、Tom's HardwareによるとRadeon RX 7800 XTを使い、FSR 3.1で1440pから4Kへアップスケーリングした際には約45fpsに対して、FSR 4を適用すると約40fpsに落ちるなど約10%のパフォーマンス影響があるようです。ただ、4K解像度のネイティブで出力の場合は20fps程度しか出ないことを考えるとFSR 3.1からのパフォーマンス低下が見られても画質向上を考えれば許容範囲と言えそうです。

このINT 8版FSR 4は過去にはLinuxでも動作している様子が確認されていますが、今回のDLL版はWindowsでも動作するなどより手軽に使えるようになっています。また、対応GPUはRDNA 3を搭載するRadeon RX 7000シリーズのほかにGeForce RTX 3000シリーズでも動作することが確認されています。一方で、RDNA 2世代以前ではINT 8版FSR 4が必要とするWMMAアクセラレーション機能を搭載していないため、このMODは動作しないようです。

FSR 4はRadeon RX 9000シリーズで非常に高い評価を得ていましたが、INT 8版でも十分高い画質やネイティブ解像度に比べて高いパフォーマンスを発揮できることは確実であるため今後、有志のコミュニティによるさらなる最適化や、AMD自身の公式な対応に注目が集まります。

著者情報

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
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