DDR5などメモリの契約価格が前期比2倍に高騰。PCからスマホ、ゲーム機の値上げは不可避か

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PCやスマートフォンなど幅広い製品に使われるメモリは、AI向けデータセンターの建設ラッシュを背景に需要が急騰しており、供給不足に陥っています。こうした状況から価格が高騰していますが、2026年第1四半期の各種メモリの契約価格が前期比で約2倍に達していることが明らかになりました。

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2026年第一四半期のメモリの契約価格予測が大幅な上方修正に

メモリを巡っては、AI向けデータセンターの建設ラッシュを背景に、供給に対して需要が大きく上回る状況が発生しており、2025年秋頃から深刻化しています。この需要拡大を受けてメモリのスポット価格や契約価格も値上がりが続いていますが、市場調査会社のTrendForceによると、様々な製品の調達コストに影響するメモリ契約価格が想定を上回るペースで上昇していることから、2026年第1四半期の契約価格予測を更新。最終的に2025年第四四半期に対して契約価格が約2倍に高騰していることを明らかにしました。

PC向けDRAMは前年比で約2倍以上。LPDDR5xなども2倍に迫る

カテゴリ2026年Q1 (2025年Q4予測)2026年Q1 (最新予測)
PC向けDRAM+38~43% (DDR4/DDR5平均)+105~110% (DDR4/DDR5平均)
サーバー向けDRAM+53~58% (DDR4/DDR5平均)+88~93% (DDR4/DDR5平均)
スマホ・モバイル向けDRAMLPDDR4x : 48~53%
LPDDR5x : 43~48%
LPDDR4x : 88~93%
LPDDR5x : 88~93%
DRAM (全体)DRAM : 45~50%
HBM : 50~55%
DRAM : 90~95%
HBM : 80~85%
エンタープライズSSD25~30%53~58%
SSD (全体)33~38%55~60%

TrendForceによると、2025年第4四半期に予測された2026年第1四半期の契約価格は、DRAMが前期比で約50%、SSDなどは最大38%の値上げが見込まれていました。しかし最新の予測では、DRAM全体は前期比で約90〜95%の値上げとほぼ2倍に達しているほか、SSDも最大60%と契約価格が大幅に引き上げられると予想されています。

PC向けメモリは前年比で110%値上がり。底堅い需要が価格を後押し

DRAMの中で最も深刻なのが、DIMMやSO-DIMM規格のPC向けメモリです。TrendForceによると、2025年第4四半期のPC出荷台数が予想を上回った結果、PC向けDRAMの在庫が広範囲で不足しているとのことです。サムスンやMicronなど主要なメモリサプライヤーから確保済みの割り当てを持つ大手PCメーカーでさえ、メモリの在庫水準が低下しています。

その結果、売り手市場となっており、PC向けDRAMの価格は2026年第1四半期に前期比100%以上の上昇が見込まれています。これは四半期ベースの上昇率としては過去最大となります。

サーバー向けDRAMについても、北米や中国の大手CSP(クラウドサービスプロバイダー)やサーバーOEMが1月時点でもメモリサプライヤーとの長期契約交渉を続けており、限られた供給を巡る競争が激化しています。その結果、サーバーDRAM価格は2026年第1四半期に前期比約90%の上昇が見込まれており、こちらも四半期ベースで過去最大の上昇率となります。

スマートフォン向けLPDDRも約90%値上がり。一部は価格高騰や事業撤退も

モバイル向けメモリも他のセグメントと同様に大幅な値上がりに見舞われています。LPDDR4XおよびLPDDR5Xの契約価格は、いずれも2026年第1四半期に前期比約90%の上昇が見込まれており、これも過去最大の上昇率となります。

そのため、今後登場する新機種では大幅な値上げや、エントリーモデルでは機能削減やラインアップの消滅が予想されます。一部のニッチなメーカーに関しては、採算が合わないことを背景にスマートフォン事業からの撤退も懸念される状況です。

NANDフラッシュも増産困難で値上がり

メモリ以外にも、フラッシュストレージで必須となるNANDフラッシュもデータセンター向け需要が急騰しています。ただし、収益性の観点では現状、NANDフラッシュよりもDRAMの方が高い状況です。そのため、サムスンなどNANDとDRAMの生産ラインを一部共用しているメーカーではDRAMの生産比率を高めていると言われており、これによりNANDフラッシュの増産が制限され、結果的に需要に対して供給が追い付いていない状況に陥っています。

エンタープライズ用途で使われているQLC SSDに関しては前期比で53〜58%の値上げが見られるほか、コンシューマー向けを含めたトータルでも55〜60%と大幅な値上げにつながっています。

契約価格は様々な製品の価格に影響。PCのみならずゲーム機から家電まで値上がり?

今回TrendForceが取り上げた価格は、コンシューマー向け製品などを製造するメーカー側と、サムスンやSK Hynix、KIOXIAなどのメモリ/NANDメーカーとの間で結ばれる契約価格であり、大規模契約による値引きなども反映された価格です。しかし、それでもPC向けやスマートフォン向けメモリは約2倍に値上がりし、SSDに必須なNANDフラッシュも1.5倍以上に値上がりしていることから、今後これらの部品を多用するBTOを含むデスクトップPCやノートPC、スマートフォン、コンソールゲーム機などは値上げを余儀なくされる可能性が高いといえます。

特にコンソールゲーム機は、PlayStation 5の場合はGDDR6を16GBとSSDを1〜2TB、Nintendo Switch 2の場合はLPDDR5を12GBとSSDを256GB搭載するなど、価格のわりに大きな容量を持つため、新しい契約価格が適用された場合は値上げを余儀なくされる可能性があります。様々な製品の値上げにつながることが懸念されています。

コメント・考察

メモリ価格については、サムスンやSK Hynix、Micronなどが契約価格の引き上げを実施すると同時に長期契約も拒否する状況にあるため、データセンターの需要次第では今後も大幅な値上がりが続くものと考えられます。

また、これに伴いコンシューマー向け製品も値上げが予想されます。もともと価格が安い製品ほど値上げの影響を受けやすいと見られており、エントリー向けグラフィックスカードやノートPC、スマートフォンなどは軒並み値上げかラインアップの廃止が懸念されます。コンソールゲーム機も値上げが予想されるなど、2026年はメモリの値上げ影響がPCにあまり興味がない層を含め、広範囲に広がることが予想されます。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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