現在、自作PC市場ではDDR4・DDR5ともにメモリ価格が高騰しています。手持ちの部品だけでPCを組めれば大幅なコストダウンが可能ですが、その夢を叶えるLGA1700対応の「変態マザーボード」をASRockが発売しました。
ASRockがDDR4とDDR5両対応のLGA1700マザーボードを発売
一般的にマザーボードはDDR4またはDDR5など対応メモリは決まっています。しかし、ASRockがDDR4とDDR5それぞれのメモリスロットを搭載する「H610M Combo」を発売しました。自作PC界隈で「変態」と呼ばれる、常識外れの仕様を持つ製品です。


DDR4を4本、DDR5を2本で合計6スロット構成。同時使用は不可
H610M ComboはLGA1700に対応したMicroATX規格のマザーボードです。一般的なマザーボードと大きく異なるのがメモリ構成で、DDR4スロットを4本、DDR5スロットを2本の合計6スロットを搭載しています。
また、エントリー向けチップセットのH610を採用していますが、対応CPUは第12世代Alder Lakeから最新の第14世代Raptor Lake Refreshまで幅広くサポートしています。DDR4使用時は最大64GB・最大3800 MT/s、DDR5使用時は最大96GB・最大4800 MT/sに対応します。
ただし、DDR4とDDR5を混在させて同時に使用することはできません。いずれか一方のメモリ規格のみを選択して使用する形となります。
PCIe x16スロットを3本。加えてPCIを搭載など拡張性は高め
H610M ComboにはPCIe x16スロットを3本搭載しています。ただし、Gen 4.0対応のプライマリスロット以外の2本はチップセット経由となり、x1モードでの動作となります。また、最近のマザーボードでは珍しくPCIスロットも搭載しています。
ストレージ面ではPCIe Gen 3.0対応のM.2スロットを1本、SATAポートを4本搭載しています。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| フォームファクター | Micro-ATX |
| 対応ソケット | LGA1700(第12~14世代Intel CPU) |
| DDR5スロット | 4本(最大96GB / 4800 MT/s) |
| DDR4スロット | 2本(最大64GB / 3800 MT/s) |
| PCIeスロット | x16 Gen 4.0×1、x16(x1動作)Gen 3.0×2 |
| M.2スロット | 1本(Gen 3.0対応) |
| SATAポート | 4本 |
背面I/Oパネルには、複数のUSBポートとType-Cポート1基、PS/2ポート、2.5GbE LANを搭載しています。映像出力はVGA、DVI、HDMIの3系統に対応しており、エントリー向けらしく、2025年現在では珍しいレガシーな構成となっています。
なお、現時点でH610 Comboの価格や日本での発売予定などは明らかにされていませんが、エントリー向けマザーボードと言うことでそこまで高価にならないと考えられます。
メモリ価格が高騰している中で、DDR4・DDR5どちらも使えるマザーボードは、人によってはかなり役立つ製品といえそうです。特に複数の自作PCを組んできた方で、家に眠っているメモリが何本かあるという場合には、手持ちの部品で新たにPCを組めるという意味で最適かもしれません。
ASRockがこのタイミングでこのような変則的なLGA1700対応マザーボードを投入したのは、偶然なのか、お蔵入りにしていた製品を急遽投入したのかは不明です。しかし、「変態マザーボード」でお馴染みのASRockらしい製品であることは間違いなく、このようなチャレンジングな製品を出し続ける姿勢は素晴らしいと思います。



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