Intel Panther Lake世代 Core Ultra X7 358HのGPU性能がリーク。GeForce RTX 3050に迫る

IntelのPanther Lake世代のCPUであるCore Ultra X7 358Hのベンチマーク結果がGeekbench 6に登場しました。同CPUに内蔵されるXe3世代のArc GPUのグラフィックス性能が、現行のXe2世代に対して大幅に向上していることが改めて明らかになりました。その性能は、ノートPC向けのGeForce RTX 3050に迫るレベルに達しています。

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Xe3を12コア搭載するCore Ultra X7 358Hのベンチマーク結果が登録される

Geekbench 6に掲載されたベンチマーク結果は、ASUSのROG Zephyrus G14「GU405AA_00016437B」に搭載されたCore Ultra X7 358Hのものとなっています。

Core Ultra X7 358Hは16コア構成のCPUで、P-CoreにはCougar Coveコアを4コア、E-CoreにDarkmontコアを8コア、そしてLPE-Core用のDarkmontを4コア搭載する、4+8+4の組み合わせになっています。ベースクロックは1.9GHzと低めですが、ブースト時は最大4.8GHzに達します。キャッシュ構成はL3が18MB、L2が8MBとなっています。

ベンチマークが取られた機種では32GBのLPDDR5xメモリーが搭載されていましたが、動作クロックは不明です。ただし、内蔵GPU性能を引き出すために最高速度となる9600MT/sのLPDDR5xを採用する可能性が高いと見られています。

内蔵GPUはXe3 GPUを12コア搭載

Core Ultra X7 358Hは「Core Ultra X」シリーズとして内蔵GPUが強化された仕様になっており、Xe3 GPUコアを合計12コア、Execution Unitでは96基搭載する構成になっています。また、今回のベンチマークでは動作クロックが最大2.5GHzで動作することが判明しています。

なお、最上位モデルのCore Ultra X9シリーズでは、この動作クロックが2.8GHzなどさらに高められ、性能も向上すると考えられています。

GPUが使用するメモリーはシステムメモリーと共有される形となるため、OEMなどが設定するLPDDR5x速度がグラフィックス性能に大きく影響します。

Xe2から最大92%の性能向上を確認

GPUOpenCLスコア
★Core Ultra X7 358H (Xe3) 最大設定52,946
GeForce RTX 3050 Mobile50,915
☆Core Ultra X7 358H (Xe3) 標準設定46,841
Radeon 890M (RDNA 3.5 16コア)37,095
Arrow Lake (Xe+) 8コア36,859
Lunar Lake (Xe2) 8コア27,666

今回のリークでは2つのスコアが報告されており、1つ目は52,946ポイント、2つ目は46,841ポイントです。両方のスコアは同じノートPCで取得されているものの、電力設定やパフォーマンスモードなどが異なる設定でベンチマークが取られていると見られています。

実際に、Geekbenchの設定でも52,946ポイントを記録した結果では「Turbo」モードの表記がありますが、設定される消費電力など詳細な電力設定は明らかにされていません。

グラフィックス性能を比較すると、Core Ultra X7 358HはノートPC用ディスクリートGPUのNVIDIA GeForce RTX 3050 Mobileを上回るスコアを記録しています。さらに、CPU内蔵GPUとして高い性能を持つと評価を受けているRyzen AI 9 HX 370内蔵のRadeon 890Mを43%上回る性能を発揮するなど、グラフィックス性能はかなり高いことが明らかになっています。

また、現行のIntel CPUに対しても、Arrow Lakeを44%、Lunar Lakeを91%上回る性能を記録しています。消費電力の観点では、Lunar Lakeは最大37Wで動作するのに対し、Panther Lake-HはデフォルトTDPが45Wに設定されているため、今回の性能差には消費電力の違いも考慮する必要があります。それでも大きな性能差となっています。

なお、今回のベンチマークで使われたGeekbenchのOpenCLベンチマークはGPU性能の一部を測定するものであり、実際のゲーミング性能などを完全に反映するものではありません。

ただし、既に3DMark TimeSpyのベンチマークでもXe3内蔵Panther Lakeの高いグラフィックス性能は明らかにされています。今後のドライバー最適化などを経れば、CPU内蔵GPUのグラフィックス性能としてはRyzen AI 9 HX 370を超えて頂点に立つと考えられます。ノートPCに加え、ミニPCやハンドヘルド型PCにおいて、グラフィックス性能の大幅向上が期待されます。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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