Intelは2026年1月開催のCES 2026でArrow Lakeのリフレッシュモデルを正式発表する予定です。今回、この中でハイエンドモデルとして位置付けられるCore Ultra 7 270K Plusのベンチマークがひと足先に登場しました。
Core Ultra 7 270K Plusのベンチマークが再登場
IntelのArrow Lake RefreshはCore Ultra 200S Plusシリーズとして発売予定で、Core Ultra 5 260K Plus、Core Ultra 7 270K Plus、Core Ultra 9 290K Plusの合計3モデルがラインアップされます。
今回はこの中でハイエンドモデルとして位置付けられているCore Ultra 7 270K PlusのGeekbenchベンチマーク結果が、発表を前にしてデータベースに登録されていることが明らかになりました。
Core Ultra 7 270K PlusはE-Coreが4コア増でL3キャッシュも増加。動作クロックは0.1 GHz増に留まる
Core Ultra 7 270K Plusは現行のCore Ultra 7 265Kの8P+12E構成に対して、E-Coreが4コア増えた8P+16E構成にスペックが向上しています。これにより、コア構成は上位のCore Ultra 9 285Kや290K Plusと同じになります。
| 仕様 | Core Ultra 7 270K Plus | Core Ultra 7 265K |
|---|---|---|
| コア数 | 24コア(8P+16E) | 20コア(8P+12E) |
| P-Core 最大クロック | 5.5 GHz | 5.5 GHz |
| E-Core 最大クロック | 4.7 GHz | 4.6 GHz |
| L3キャッシュ | 36 MB | 30 MB |
このコア数増によりL3キャッシュは合計36MBに増えています。また、動作クロックもE-Coreのみですが最大4.6 GHzから4.7 GHzに引き上げられており、特にマルチコア性能の向上が期待されています。
Geekbench 6での性能向上はシングル、マルチ共に5%程度に留まる

GeekbenchデータベースにはCore Ultra 7 270K PlusをGIGABYTEのZ890 Eagle WiFi7マザーボード、DDR5-4800 MT/sのメモリーと組み合わせた結果が登録されています。スコアはシングルコアで3236ポイント、マルチコアで21475ポイントを記録しました。
| CPU | シングルコア | マルチコア |
|---|---|---|
| Ryzen 9 9950X3D | 3398 | 22096 |
| Ryzen 9 9950X | 3384 | 21421 |
| Ryzen 7 9800X3D | 3333 | 18343 |
| Core i9-14900KS | 3239 | 23176 |
| ★Core Ultra 7 270K Plus | 3236 | 21475 |
| Core Ultra 9 285K | 3215 | 22720 |
| Core Ultra 7 265K | 3067 | 20654 |
| Core i9-14900K | 3055 | 20175 |
先代のCore Ultra 7 265Kと比較すると、シングルコアは5%、マルチコアは4%の性能向上となっています。ただし、同じく8P+16E構成のCore Ultra 9 285Kと比べるとシングルコアは同等ですが、マルチコアは5%劣る結果です。
今回のベンチマークはDDR5-4800 MT/sと比較的遅めのメモリーを使用しています。Core Ultra 200S Plusは最大7200 MT/sまで対応しているため、高速なメモリーを使用すればもう少し高い性能を発揮できると考えられます。ただし、その場合でも1〜2%程度の向上にとどまる見込みです。
なお、Geekbench 6はCPUの計算能力に焦点を当てたベンチマークです。Core Ultra 200Sシリーズで課題として挙げられていたゲーミング性能については、今回の結果からは判断できません。ゲーミング性能がCore Ultra 7 265Kに対して同様に5%程度の向上なのかどうかは、実際のゲームを用いたベンチマーク結果を待つ必要があります。
発表はCES 2026。価格は7万円前後?
Core Ultra 200S Plusは2026年1月6日に開催されるCES 2026で正式発表される見通しで、発売も2026年3月末までに行われると見られています。
現行のCore Ultra 7 265Kは発売当初384ドルでしたが、その後284ドルに価格改定が実施されています。Core Ultra 7 270K Plusも、Core Ultra 7 265Kの発売当初の価格帯で販売される可能性が高く、日本では7万円前後で発売されると予想されます。
Core Ultra 7 270K Plusは8P+16E構成に格上げされたことで、CPUのコア構成だけで見るとCore Ultra 9 285Kと全く同じになっています。ただし、動作クロックの面で差別化が図られており、Geekbench上では明確な性能差が出ています。
今回のCore Ultra 7 270K Plusは先代のCore Ultra 7 265Kに対して5%の性能向上にとどまっています。しかし、噂されているD2D(Die-to-Die接続)やRing Busなどの高速化が行われた場合、メモリーレイテンシへの感度が高いゲーミングでは5%以上の性能向上が期待できます。特にゲーミング性能には注目が集まるところです。
ただし、現在メモリー価格が高騰しており、仮にD2DやRing Busの高速化が行われても、その性能を発揮するには高速なメモリーが必要です。現時点でそのようなメモリーは非常に高価なため、ゲーミング性能が向上したとしても、販売状況は厳しいものになると予想されます。



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