DRAM不足と価格高騰を背景に、自作PCに欠かせないDDR5メモリの価格が高騰しています。この影響でマザーボードをはじめとするPCパーツやノートPCの販売が大きく落ち込んでおり、これらが主力製品であるASUSなどは計り知れないダメージを受けています。こうした状況に対抗するため、ASUSは独自にDDR5などのメモリモジュールを生産することを検討しているようです。
DRAM価格高騰でコンシューマー向けメモリは枯渇
AI向けデータセンターの建設ラッシュにより、HBM(High Bandwidth Memory:広帯域メモリ)の需要が急増しています。これに伴い、主要なメモリメーカーは生産能力の多くをHBMに集中させており、その結果DDR5など汎用DRAMの供給不足と価格高騰が発生しています。
DDR5など汎用DRAMの価格高騰は、自作PC用パーツからBTO、ノートPC、スマートフォンまで多くの電子機器の値上がりを招いています。これら製品の販売台数は2026年には2〜5%ほど落ち込むことが予想されており、メーカーにとっては死活問題です。
こうした中、自作PC用パーツからノートPC、スマートフォンなどコンシューマー向け電子機器を幅広く販売するASUSは、自社でDDR5などに必要なメモリモジュールの製造に着手することを検討しているようです。
ASUSがメモリーモジュールの独自生産を検討? 早ければ2026年Q2までに開始
ASUSがメモリモジュール製造に参入しても、DRAMを製造するSamsungやSK Hynix、Micronの供給が不足している状況では、ASUSの参入によって価格が大きく下がることは期待できません。
ただし、ASUSはノートPCの販売台数が大きいため調達規模も大きく、特にSO-DIMMやLPDDR5などノートPCに関連する領域では、調達力を活かしてコストを抑えられる可能性があります。
一方、自作PC向けのDDR5ではKingstonが圧倒的なシェアを握っているため、ASUSの調達力をもってしても最良価格での調達は難しいと考えられています。しかし、ASUSはマザーボードも販売しているため、互換性やオーバークロック耐性などで高付加価値を付けられるほか、安価な製品向けにはマザーボードとのバンドル販売により個別購入より安価に提供できる可能性もあります。自作PCやBTOにとって救世主的な存在になるのか、注目が集まります。
ノートPCメーカーと言うメリットを活かして大規模な調達を実現?
ASUSがメモリーモジュール製造に参入しても、DRAMを作るサムスンやSK Hynix、Micronの供給が足りないことからASUSの参入により価格が大きく下がることは期待できません。ただ、ASUSはノートPCの販売台数が大きいため調達規模は大きく、特にSO-DIMMやLPDDR5などノートPCに関連付く領域では調達力を活かしてコストを下げることが可能になると見られています。
一方で、自作PC向けのDDR5ではKingstonが圧倒的なシェアを握っているため、ASUSの調達力があっても最良価格で調達することは難しいと考えられています。ただ、ASUSはマザーボードも販売しているため、互換性やオーバークロック耐性などで高付加価値を付けれるほか、安価な製品向けにはマザーボードとバンドルすることで個別に買うよりは安価に購入できる可能性も出てくるため、自作PCやBTOにとって救世主的な存在になるのか注目が集まります。
ASUSは企業規模が大きいため、ノートPCの供給安定性や調達力の観点からもメモリモジュールの自社製造には一定のメリットがありそうです。しかし、新たな製品ラインを立ち上げるとなると投資額は莫大となり、大きなリスクも伴います。
ただ、そのリスクを冒してまで、メモリモジュール組み立てへの参入を検討しているということは、少なくともASUSは今後もメモリモジュールの価格が大きく下がる見込みはないと読んでいるとも考えられ、メモリ不足が今までとは様子が異なると言えそうです。ですので、もしかしたら2027年以降もメモリ価格は高止まりしたまま推移する可能性がありそうです、、、



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