サーマルペーストで高い評価を得ているArcticが、同社の新フラッグシップ製品となる「MX-7」を発売しました。新製品は前世代のMX-6から配合を刷新し、Core Ultra 9 285Kを用いた同社のテストでは最大3%の温度低下を実現しているとのことで既に日本でも発売が開始されています。
ARCTICがベストセラーサーマルペーストの新製品「MX-7」を発売
ARCTICのMXシリーズは高い性能からサーマルペーストとして高い評価を得ている製品になりますが、同社はこのMXシリーズ最新製品にあたる「MX-7」を新たに発売しました。このMX-7は2022年に発売されたMX-6の後継製品で、3年ぶりのリニューアルとなります。
新配合の詳細は非公開ですが、ARCTICは「低い粘着性による均一な塗布」「高い粘度による流動抵抗」「高い凝集性による耐久性のある接着」という特性を備えていると説明しています。なお、同社は他のサーマルペーストメーカーとは異なり、熱伝導率の数値を公表していません。
Core Ultra 9 285Kでは最大3%の温度低下

Arcticの社内テストでは、Core Ultra 9 285K(4.5GHz動作、消費電力約284W、室温25℃環境)を使用した検証が行われました。その結果、MX-7はMX-6と比較して約3%、MX-4と比較して最大6%の温度低下を達成したとのことです。
MX-7は非導電性かつ非容量性のため、ダイレクトダイ冷却ソリューションでも安全に使用できます。ショートや放電のリスクがないため、殻割り後のCPUやGPUにも適用可能です。
塗布方法はクロスパターンを推奨
MX-7はMX-6より粘度が低下したものの、依然として適度な粘性を維持しています。そのため、Arcticはスパチュラでの塗り広げを避け、クロス(十字)パターンで塗布し、CPUクーラーの圧力で自然に広げる方法を推奨しています。この方法はヒートパイプ方式のクーラーでも有効とのことです。
なお、MX-7は非導電性・非容量性のため、余分なペーストの拭き取りも容易とのことで、同社は専用の「MX Cleaner」ワイプも販売しており、MX-7とのバンドルセットも用意しています。
価格上昇は小幅。偽造品対策も強化
MX-7の価格はMX-6からわずかに上昇しています。内容量4gのシリンジはMX-6が1,280円に対して、MX-7は1,499円と約220円の値上がりに留まるなどごくわずかな値上がりに留まっています。
また、ARCTICのMXシリーズは人気製品と言うことで市場には偽造品も出回っています。そのため、ARCTICは「MX Authenticity Check」を改良し、各製品に固有のQRコードを付与することで正規品の確認を容易にしています。
なお、このARCTIC MX-7は既にAmazonなどで販売中です。



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