AMD Zen 6 EPYCは2026年ごろ登場。ノートPC向けRyzenは2027年前半に

AMDは、OCP Summit 2025においてオープンソースファームウェア「openSIL」のサポート計画を発表し、その中で次世代Zen 6アーキテクチャ搭載CPUの登場時期を示唆しました。サーバー向けEPYC「Venice」とクライアント向けRyzen「Medusa」について、それぞれ具体的な投入時期が明らかにりました。

目次

openSILサポート計画から判明したZen 6の投入時期

OCP 2025でAMDのチーフファームウェアアーキテクトであるRaj Kapoor氏は、オープンソースファームウェア「openSIL」の今後のサポート計画を発表しました。この発表の中で、次世代Zen 6アーキテクチャを搭載するCPUの投入時期が具体的に示されています。

AMDの通常のリリースサイクルでは、製品発売から約1四半期後にオープンソースファームウェアのサポートが提供されます。そのため、openSILのサポート時期から逆算することで、実際の製品投入時期をある程度推測することが可能です。

今回の発表では、サーバー向けとクライアント向けでそれぞれ異なるスケジュールが示されており、Zen 6世代の展開計画が明らかになりました。

EPYC「Venice」は2026年に登場予定

OCPでの発表資料ではZen 6ベースのサーバー向けCPUの「Venice」については2026年第1四半期に製品発売後直後からopenSILへの対応を実施するなど、具体的な製品の発売時期を明らかにしています。

このEPYC Veniceは現行のEPYC「Turin」シリーズの後継となるサーバー向けプロセッサで、Zen 6アーキテクチャ採用による性能向上に加え、最新鋭プロセスであるTSMC 2nm (N2P)プロセスの採用が期待されています。

Ryzen「Medusa」は2027年前半にリリース

クライアント向けのRyzen「Medusa」については、2027年前半にopenSILサポートがリリースされる計画が明らかにされました。AMDの過去のリリースパターンから見ると、冒頭の通りopenSILサポートは製品発売後から一四半期後に提供される傾向にあるため、Ryzen Medusa本体の発売は2026年後半から2027年初頭になると推測されます。

なお、このRyzen Medusaの内、最も早く登場すると言われているのがデスクトップ向けCPUで、おそらくこれが2026年年末から年初に、またノートPC向け製品は2027年1月のCES 2027で発表され、2027年上半期中に発売されると考えられています。

openSILとは

openSILは、AMDが2023年に発表したオープンソースのファームウェアソリューションで、従来のAGESA(AMD Generic Encapsulated Software Architecture)に代わるものです。

主な特徴として、C-17で記述されたスタティックライブラリ構造を採用し、x86ベースのホストファームウェアと柔軟に統合できる設計になっています。また、軽量でコード密度が低いためセキュリティリスクを低減できるほか、プロジェクト開始時点から完全にオープンソース化されています。

AMDはopenSIL以外にもSound Open Firmware、Secure Encrypted Virtualizationファームウェア、openBMCなど複数のオープンソースプロジェクトを推進しており、エコシステム全体の透明性とセキュリティ強化を図っています。

オープンソース化による影響

openSILの採用により、マザーボードメーカーやシステムインテグレーターはより柔軟なカスタマイズが可能になります。ソースコードが公開されているため、顧客ごとの細かな要求に応じた最適化が容易になり、特にサーバーやワークステーション市場でAMDプラットフォームの競争力が高まると期待されています。

また、オープンソース化によりコミュニティ全体がコードをレビューできるため、潜在的な問題の早期発見やセキュリティホールの特定が容易になります。多くの開発者がコードを精査することで、脆弱性の発見と修正が迅速に行われる傾向があり、セキュリティ面での強化も見込まれています。

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この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

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