AMDはRDNA 3.5世代のGPUアーキテクチャーを2029年までメインストリーム向けAPUに採用する計画ですが、RDNA 4mと呼ばれるリフレッシュモデルを開発していることが明らかになりました。
RDNA 3とRDNA 4の間に位置する「RDNA 4m」がAPU向けに登場
AMDは現在、RDNA 5などの次世代GPUアーキテクチャーを開発中ですが、このGPUは主にデスクトップ向けやハイエンドAPU向けに搭載される見通しです。一方、メインストリーム向け製品には2025年に投入されたRDNA 3.5 GPUが2029年まで採用されると噂されています。
ただ、RDNA 3.5は元々2023年に投入されたRDNA 3がベースであり、FSR 4などAMDが開発している最新のアップスケーリング技術にも対応できないなど、設計の古さが否めません。内蔵GPU性能を着実に向上させているIntelに対して、競争力の面で懸念が指摘されていました。
こうした状況を受け、AMDがAPU向けにRDNA 4mと呼ばれる新しい内蔵GPUアーキテクチャーを開発していることが、公開されたLinuxのコードベースから明らかになりました。
アーキテクチャーは「RDNA 3系」だが名称は「RDNA 4m」に
AMDは自社GPUのドライバーやコンパイラのソースコードをLinux向けにオープンソースで公開しており、新しいGPUのサポートが追加される際には、製品の正式発表前であってもコードの変更内容から次世代GPUの情報が判明することがあります。

今回もLinux向けに公開された情報から新しいGPUの存在が判明しており、新たにGFX1170というGPU IDが追加されていることが確認されました。AMDはこれまでGFX11xx番台をRDNA 3世代、GFX12xxをRDNA 4世代、GFX13xxをRDNA 5世代に割り当てているため、今回追加されたGPUはアーキテクチャー上はRDNA 3世代に位置づけられます。
ただし、GPUの名称は「RDNA 4m」と命名されており、AMDはRDNA 3世代のアーキテクチャーをベースとしつつも、マーケティング上はRDNA 4系として展開する見通しです。
新機能はFSR 4への対応。Zen 6から投入?
Linuxパッチによると、RDNA 4mには「SALUFloatInsts」と「DPPSrc1SGPR」という機能が追加されていますが、これらはすでにRDNA 3.5にも搭載されていた機能です。そのため、今回の命令セット追加だけでは具体的な新機能は明らかになっていません。
Bit of a "Rebrandeon" going on here, but at least with FP8 support added it can run FSR4 🙃 https://t.co/FQ2S0dOJrP
— Kepler (@Kepler_L2) February 6, 2026
ただし、AMD関連のリークで定評のあるKepler_L2氏によると、RDNA 4mはRDNA 3.5をベースとしながらもFP8演算への対応が追加されており、これによりFSR 4が動作可能になるとのことです。
FSR 4に対応することで、内蔵GPU自体の演算性能は現行のRDNA 3.5とほぼ同等であっても、アップスケーリング適用時にはフレームレートの向上と画質の大幅な改善が期待できます。
なお、RDNA 4mがどの製品から搭載されるかは明らかにされていません。ただし、Linuxパッチに未発表の製品が登録されるのは発売のおよそ1年前からという傾向があるため、2027年初頭に発売が見込まれるノートPC向けZen 6世代のAPUにRDNA 4mが搭載される可能性が高いと考えられます。
AMDのAPU向け内蔵GPUにはRDNA 3.5が2029年まで使われ続けると噂されており、競争力の低下が懸念されていました。しかし、少なくともFSR 4に対応するとなれば、アップスケーリング適用時の画質や性能でIntelのPanther Lakeに近づけると言えそうです。
また、RDNA 3.5はダイ面積が小さく実装コストも抑えられると見られているため、比較的高価なPanther Lakeに対してコストパフォーマンスの面で優位性があります。ここにFSR 4対応が加われば、メインストリーム向け製品として十分に競争力のある選択肢になりそうです。
ただし、AMDがRDNA 4mという形でRDNA 3.5の延長線上にあるモデルを投入するということは、今後もAPU向けにRDNA 5を全面的に展開する計画はなく、既存アーキテクチャーの改良版を流用し続ける可能性がより高まったとも言えそうです。



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