AMDのRyzen 9000シリーズはここ数日間はブラックフライデーセールなどで過去最安値を記録する製品が数多く販売されていましたが、まもなく同CPUや旧世代CPUの値上げが実施されるようです。
Ryzen 9000シリーズから旧世代CPUまで値上げへ
Overclock3Dが業界関係者から入手した情報によると、AMDはRyzen 9000シリーズならびに旧世代のRyzen CPUを対象に値上げを実施予定とのことです。12月1日深夜(日本時間では12月2日)から新しい価格が適用されます。
なお、この値上げ理由はAMDから発表はありませんが、少なくともメモリ価格高騰とは無関係で、TSMCのウェハー価格値上げなど製造コスト高騰によるものと指摘されています。
対象製品は現時点ではRyzen 9000シリーズと一部旧世代製品が対象と、漠然とした内容しか明らかになっていません。また、値上げ幅も現時点で不明ですが、少なくとも製品によって値上げ幅は異なることが判明しているとのことです。
ブラックフライデー終了直後に実施は値上げを隠すことが目的?
今回の値上げ実施タイミングは、ブラックフライデーおよびサイバーマンデーのセール終了直後です。これにより、消費者側には「セール価格から通常価格に戻っただけ」と認識されやすく、実質的な値上げが目立ちにくくなる効果があると考えられます。
実際、ここ最近のPCパーツ市場ではDDR5やSSDの価格高騰が続いており、マザーボード需要は半減したとも言われるなど、消費者の価格感度は非常に高まっています。こうした市場環境を考えると、AMDとしてはPC需要のさらなる冷え込みを避けるため、値上げの印象をできるだけ薄めたかったという意図がうかがえます。
Ryzen 7 9800X3Dは日本ではまだ68,900円で販売中。Ryzen 9 9950X3Dも98,800円
今回の値上げが日本でもすぐに適用されるかは不明ですが、近いうちに値上げされることは確実といえる状況です。
そのため、ブラックフライデーセールでCPUを買い逃したという人でAMD製CPUの購入を迷っている場合は、購入を急いだほうがいいかもしれません。
ただ、幸いなことにAmazonではブラックフライデーセールは終わっているものの、ドスパラが出品しているRyzen 7 9800X3Dはまだ68,900円で販売中です。
また、同じくドスパラが出品している最上位モデルのRyzen 9 9950X3Dも98,800円で販売されています。
AMDに関してはグラフィックスカードが値上げされるという噂はありましたが、その前にCPUが値上げされるというのは予想外といえます。この原因は明らかにされていませんが、TSMCは4nmなど最新鋭ではないものの比較的新しい製造プロセスでも5〜10%の値上げをすると噂されているため、これらを反映しての値上げの可能性が高いといえそうです。
なお、値上げ幅は不明ですが、既にPCパーツはDDR5の値上げで消費者が躊躇する状態になっているため、大幅な値上がりとなればPCパーツ市場は一気に需要が冷え込むことが予想されます。そうなれば各社は消費者向けよりさらにAI優先の姿勢を鮮明にすることが懸念されますが、どの程度の値上げになるのかなど今後の動向に注目です。




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