メモリの品薄と価格高騰により、DDR5メモリなどを新たに購入するハードルが大きく上がっています。こうした状況を受け、AMDはDDR4が使えるソケットAM4向けに、Zen 3アーキテクチャーを搭載するRyzen 5000シリーズの再投入を検討していることが明らかになりました。
DDR5で人気が増すDDR4対応の旧世代CPU
AIデータセンターの建設ラッシュに伴い、メモリは品薄と価格高騰に晒されています。PCで必須となるDDR5については、2025年初頭は64GBキットが3万円を下回る価格で購入できましたが、現在は10万円程度で販売されている状態です。
この影響で自作PC市場の需要は大きく冷え込んでおり、マザーボードの販売台数は2025年11月時点で前年比50%減となっています。
その一方で、既に所有しているDDR4を流用でき、性能が比較的高く価格も安いAMDのRyzen 5000シリーズなど旧世代CPUに注目が集まり始めています。2025年12月頃には、ソケットAM4マザーボードや数少ないラインアップで販売されているRyzen 5000シリーズCPUが、世界各国の販売ランキングで上位に食い込むことが確認されています。
AMDはこの人気復活を受けて、販売終了となったRyzen 5000シリーズの一部モデルを再生産することを検討しているようです。
AMD役員がRyzen 5000シリーズの再投入を示唆
AMDの副社長兼Ryzen/Radeon部門長のDavid McAfee氏が、Tom's Hardwareへのインタビューで、現状のメモリ不足と価格高騰への対抗策として、ソケットAM4に対応する製品の再投入を検討していることを明らかにしています。
AMD is certainly looking at everything that it can do to bring more supply and kind of reintroduce products back into the AM4 ecosystem to satisfy the demands of gamers that maybe want that significant upgrade in their AM4 platform without having to rebuild their entire system
David McAfee via Tom's Hardware
McAfee氏によると、システム全体を組み直すことなくAM4プラットフォームで大幅なアップグレードを望むゲーマーの需要に応えるため、AM4向け製品を再投入するあらゆる方法を検討しているとのことです。
特に、AMDのAdrenalinソフトウェアを通じて取得されたシステムデータによると、多くのユーザーは依然としてRyzen 2000シリーズやRyzen 3000シリーズを使用し続けていることが判明しています。Ryzen 5000シリーズのラインアップを追加することで、AM4ユーザーの乗り換え先を確保することを狙っているようです。
Zen 3 CPUはEPYC向けに生産中。実現の可能性は高め?
Ryzen 5000シリーズのモデル再投入を行うためのハードルは比較的低いと見られています。というのも、Ryzen 5000シリーズに搭載されているZen 3は、2026年時点でもEPYC 7003(EPYC Milan)向けに生産が続けられており、EPYC 7003のCCDとRyzen 5000のCCDは基本構造が同じとなっています。
また、製造に使われているTSMC 7nmも稼働率が低迷しているため、追加で製造を行うとしてもコストやキャパシティー面での制約はないと考えられています。
Ryzen 7 5800X3Dは2026年でも通用する性能
AMDがRyzen 5000シリーズの再投入を検討していることは明らかになっているものの、まだ検討段階ということで、具体的にどのモデルが復活するかは明らかになっていません。しかし、Ryzen 7 5800X3Dなど3D V-Cacheを備えた製品であれば、2026年時点でもゲーミングで通用する性能を持っています。

実際に、TechPowerUPのベンチマークでも、1080p解像度でのゲーミングでは2024年に発売されたCore Ultra 7 265KやCore i5-14600Kに近い性能を持っていることが明らかになっています。また、最新鋭で現時点で最も高いゲーミング性能を持つRyzen 7 9800X3Dと比較しても、14%劣る程度に留まっています。
ハイエンドグラフィックスカードと組み合わせても十分バランスが取れるCPUであり、仮にRyzen 5000シリーズの中で3D V-Cache搭載モデルが復活すれば、メモリ高騰が緩和するまでの延命策として十分な役割を果たせると言えそうです。
Ryzen 5000シリーズは、特に3D V-Cache搭載製品のゲーミング性能が2026年現在でも通用するレベルにあり、DDR4を所有しているユーザーにとってはコスト面も含めて最適な乗り換え先と言えそうです。
DDR4は初代ZenやIntelのSkylake世代から導入されているため、既に所有しているユーザーも多く、中古品の流通量も豊富です。DDR5でPCを一式組むよりも手軽かつ安価にシステムを構築できます。Ryzen 5000シリーズ再投入の動向には注目が集まります。



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