AMDはZen 4登場とともに投入されたB650マザーボードについて、2025年12月中に生産終了することを明らかにしていました。しかし、最近のDDR5価格高騰により、B650の生産終了が延期されたことが明らかになりました。
AMDがB650マザーボードが生産終了を延期
AMDのB650マザーボードはソケットAM5が投入された2022年に発売されたミドルレンジモデルです。2025年現在は1.3万円台で購入できることから、ソケットAM5を初めて導入するユーザーに最適なモデルであり、根強い人気があります。

ただ、そんなB650ですが発売からすでに3年が経過しています。後継のB850も価格が安くなり始めていることから、AMDはラインアップ整理を目的に2025年8月にはマザーボードメーカー各社へ生産終了を通達し、年内には供給自体も途絶えると見られていました。
しかし、昨今のDDR5価格高騰を受けてマザーボード市場が想定を上回るレベルで冷え込んでいることから、AMDはこのB650の生産終了を延期した可能性があるようです。
B650生産終了の延期理由はマザーボード需要減少。低価格化で販売減を抑制?

博板堂に掲載されたリークによると、AMDはB650チップセットの生産終了計画を撤回し、今後も供給を継続する方針を各マザーボードメーカーに伝えたとのことです。

この方針変更の背景には、DDR5価格の高騰による自作PCおよびBTO市場の需要低迷があると見られています。直近11月のマザーボード販売台数は前年同月比で約50%減少しており、12月も同様の傾向が続く見通しです。これを受けて、マザーボードメーカー各社およびAMDはチップセットの調達や量産計画の大幅な見直しを迫られている状況とのことです。
こうした中、比較的コストが低く安価な製品展開が可能なB650チップセットについては、マザーボードメーカー各社が調達を増やす計画です。価格を抑えることで販売台数の減少を食い止める狙いがあると見られています。
DDR5の価格は製品により異なりますが、年央から現在まで約3倍以上に高騰しています。DDR5 16GB×2枚の合計32GBセットで最安値が3万円、平均価格は6万円に達しています。また、32GB×2枚の合計64GBセットは最安値が6.5万円、平均が10万円超えと異常な価格で販売されています。そのため、PC新調を考えていた多くのユーザーは諦めざるを得ない状況になっており、それに伴いマザーボード販売も激減しています。
そのため、AMDは安価なB650の販売を継続し、なんとか販売減に抗おうとしています。しかし、2万円のマザーボードが1.2万円に落ちても、1〜2万円で買えたメモリーが3〜6万円となっている現状ではあまり意味のない施策と言えそうです。
ただ、このマザーボード販売減が続くと各企業への影響も出てくる可能性が高いです。DDR5価格は2028年まで正常化しないとも言われているため、AMDや各社マザーボードメーカーがどのような舵取りをするのか、動向に注目が集まります。



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