12V-2x6は付属アダプターかネイティブか、メーカー9社の回答が真っ二つ

  • URLをコピーしました!

GeForce RTX 4000シリーズから本格的に導入された12V-2x6コネクターは、溶損などの不具合が報告されています。そもそもこの12V-2x6コネクターに接続する際、電源ユニット付属のネイティブケーブルを使うべきか、GPU付属の8ピン変換アダプターを使用すべきか、AIBや電源ユニットメーカーの間で見解が分かれているようです。

目次

不安が付きまとう12V-2x6コネクター

GeForce RTX 4000シリーズから投入された12V-2x6コネクター(または12VHPWR)を採用するグラフィックカードの多くには、8pinから12V-2x6へ変換するアダプターが同梱されています。一方、最近のATX 3.0またはATX 3.1対応の電源ユニットでは、12V-2x6がネイティブで採用されています。

ただ、AIBも電源ユニットメーカーも、どちらを使うべきか明確には示していませんでした。そこで海外YouTuberのTech Overwriteが、GPUおよびPSUメーカー11社に対し「12V-2×6対応GPUにはネイティブPSUケーブルとGPU付属の変換アダプターのどちらを使うべきか」を直接問い合わせたところ、メーカー間で統一された見解がないことが明らかになりました。

12V-2x6にはGPU付属アダプターを使うべきか否かは各社回答がバラバラに

Tech Overwriteによると、11社へ問い合わせを行ったうち、回答を得られたのは9社でした。そして、その回答は大きく3つに分かれており、各社で考え方が異なることから、12V-2x6に対する統一見解は存在しないようです。

GPU付属アダプター推奨派はASUS、MSI、GIGABYTEの3社

GPUに付属されているアダプターを使うべきと回答したのは、ASUS、MSI、GIGABYTEの3社です。ASUSは「付属のGPUアダプターが最良の使用体験のために推奨される」とコメント。MSIも「グラフィックカードに付属するアダプターの使用を公式に推奨する」と回答しています。GIGABYTEは「最適な互換性のためにテスト・検証済みの付属ケーブルの使用を強く推奨する」との見解を示しています。

基本的にこの3社は、付属品は各社がテストと検証を行っているため、品質や互換性が保証されているという点を根拠としているようです。

SilverStoneとZOTACはネイティブケーブルを推奨

電源ユニット付属のネイティブケーブルを推奨するのは、SilverStoneとZOTACの2社です。SilverStoneは「電源ユニットにネイティブ12VHPWRコネクタとケーブルがあれば、そちらが望ましい」とコメント。ZOTACも「可能であれば常にネイティブケーブルの使用を推奨する」としつつ、変換アダプターはネイティブコネクタを持たない旧ATX 2.x PSU向けに存在すると説明しています。

SAPPHIRE、Thermaltake、Gainward、Palitはどちらでもよいと回答

電源ユニットメーカーのThermaltakeや、SAPPHIREをはじめとするGPUメーカー4社は、どちらの使用方法でも問題ないという立場を示しています。また、Gainward/PalitはZOTACと同じく、付属の変換アダプターは12V-2x6を持たない電源ユニット用のフォールバック手段として位置づけているとのことです。

ユーザーが取るべき対策

12V-2x6を巡っては各社で推奨される使用方法が統一されておらず、消費者にとっては混乱を招く状況となっています。

ただし、現状GeForce RTX 5090やRadeon RX 9070 XTの溶損事例では、12V-2x6への変換アダプターを介した状態で発生しているケースが多く報告されています。特にRX 9070 XTに至っては、報告されているすべての溶損事例が変換アダプター使用時に発生しています。

そのため、ASUS、MSI、GIGABYTEなどは変換アダプターの使用を推奨していますが、可能であれば12V-2×6にネイティブ対応するATX 3.0/3.1電源ユニットを使用し、変換アダプターの使用を避けた方がよいかもしれません。なお、各社の回答はあくまで「推奨事項」であり、万が一故障した際には変換アダプター・ネイティブ12V-2x6のどちらを使用していても保証対象となります。

AIBや電源ユニットメーカー各社で一貫した回答が出ていない状況から、12V-2x6導入を推進しているNVIDIAがガイダンスを示していない可能性が考えられます。消費者の混乱を解消するためにも、メーカー側から統一された見解が示されることが望まれます。

コメント・考察

12V-2x6コネクターは、ATX 3.0またはATX 3.1規格に則って設計されています。したがって、これらの規格に対応する電源ユニットとグラフィックカードを組み合わせた場合、本来であればネイティブケーブルで問題なく動作するはずです。

この前提に立つと、一部メーカーが変換アダプターの使用を推奨している点には疑問が残ります。各社が独自に検証を行っているとはいえ、規格準拠の製品同士であれば互換性は担保されるべきだからです。

根本的な問題として、12V-2x6対応を積極的に推進しているNVIDIAが、AIBに対して明確なガイドラインを示していないように見受けられます。消費者の混乱や不安を払拭するためには、どちらのケーブルを使用すべきか明確化するとともに、RTX 5090などで発生している溶損事例についても改めて調査を行い、その結果を公表することが望まれます。

関連商品
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Kazukiのアバター Kazuki 編集兼運営者

『ギャズログ | GAZLOG』の編集兼運営者
幼い頃から自作PCなどに触れる機会があり、現在は趣味の1つに。
自作PC歴は10年以上、経済などの知識もあるため、これらを組み合わせて高い買い物でもある自作PCやガジェットをこれから買おうと思ってる人の役に立てるような記事を提供できるよう心がけています。

コメント

コメントする


目次