Intelは2026年に入りCPU価格を2回にわたって引き上げており、年間で累計最大30%の値上げを目標としていることが明らかになりました。AIエージェント需要の急増によりサーバー向けCPUの受注が好調な中、低迷していた収益の回復を図る狙いがあるとみられます。
AIエージェント需要の急増でIntelがCPU値上げを加速
AIブームの恩恵はこれまで主にメモリやGPUに集中していましたが、エージェント型AIの台頭に伴いクラウドサービスプロバイダーがCPU調達を強化する動きが広がっています。特に、サーバー向けCPUの受注は前年比50%増と急増しており、Intelはこの好調な需要を背景に積極的な値上げを進めています。
2月と3月の2回で累計約20%値上げ。5月には3回目の値上げも
GF Securities(広発証券)のレポートによると、Intelは2026年2月に10〜15%、3月に15%と2回のCPU値上げを実施しており、1月比で累計約20%の上昇となっています。さらに5月には第3弾も計画されており、年間の値上げ目標は累計30%とのことです。
値上げの背景としては、サーバー向けCPU需要の急増に対してIntelの生産ライン稼働率がすでに95%に達しており、納期が最長3か月にまで延びていることが挙げられます。Intelとしてはこの機会に収益改善も狙っていると見られており、今までにない頻度と上げ幅で値上げに踏み切っている模様です。
ただし、AMDやArmベースのCPUとの競争も今後は制約要因となるとも予想されているため、5月以降の値上げ幅は限定的になると見られています。
コンシューマーへの波及とOEM関係への影響
AIブームで恩恵を受けるのは当初メモリやGPUが中心でしたが、エージェント型AIの台頭でクラウドサービスプロバイダーがCPUの調達強化にも走り始めており、Intelとしては低迷していた収益を取り戻すべく値上げにかなり積極的な状況です。サーバー向けは需要が旺盛なため値上げが受注に影響する可能性は低いと考えられますが、コンシューマー向け製品にまで波及すれば、メモリ価格高騰ですでに進んでいる値上げとの二重苦となり、販売台数の減少をさらに加速させかねません。実際に中国市場では自作PC向け出荷が前年比60%減に落ち込んでおり、完成品ノートPCでも同スペック帯で約1万〜2万円相当の値上げが見込まれています。
こうした状況が続けば、OEMメーカーとしてもIntelの値上げを受け入れ続けるか、AMDやArmベースへの移行を加速させるかという判断を迫られることになりそうです。また、サーバー向けでは値上げによる影響は少ないと言われていますが、Intel製CPUはAMDに対してコア数や性能面で見劣りしている状況であり、AMDの動きもIntelの値上げ戦略に影響を与えるものと考えられます。


コメント